圃場検定においてオオムギ雲形病に抵抗性を示す遺伝資源
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要約
北陸・東北地域での優占レースJ-4aに対するオオムギ雲形病圃場検定では、15品種・系統が抵抗性遺伝資源として有望である。そのうち病原性の広いレースJ-7に対して、AlmerfelderおよびLIGNEE 185 DE GEMBLOUXの2品種が抵抗性を示す。
- キーワード:オオムギ、雲形病、抵抗性、遺伝資源、圃場検定、レース
- 担当:中央農研・大麦研究北陸サブチーム
- 代表連絡先:電話025-526-3246
- 区分:関東東海北陸農業・北陸・水田作畑作、作物
- 分類:研究・参考
背景・ねらい
北陸地域の主要な病害であるオオムギ雲形病においては、幼苗接種試験と圃場検定における品種の罹病性反応が異なるため、実用品種育成のためには圃場検定を主体とした研究を進める必要がある。またオオムギ雲形病菌はレースが多様である。そこで、北陸地域に適した高品質なオオムギ雲形病抵抗性系統の育成に利用するため、北陸・東北地域に分布するJ-4a、J-4、J-5と、病原性の広いJ-7に対するオオムギ雲形病圃場検定により、遺伝資源の抵抗性を評価する。
成果の内容・特徴
- 調査した629品種・系統のうち、北陸・東北地域の優占レースJ-4aに対して17品種・系統が圃場検定で発病程度1以下の抵抗性を示す(図1)。
- 複数年のレースJ-4aに対する圃場検定では、15品種・系統が安定して抵抗性を示す(表1)。
- 育成系統の北陸皮41号、北陸皮43号、北陸皮45号の抵抗性は、系譜図から大麦さび系3号、さらにAgerからと推定される(図2)。
- 病原性の広いレースJ-7に対しては、AlmerfelderおよびLIGNEE 185 DE GEMBLOUXの2品種が抵抗性を示す(表1)。
成果の活用面・留意点
- 調査は北陸研究センターの育成系統や保存している遺伝資源の他、オオムギ雲形病抵抗性の報告がある品種・系統や判別品種について新潟大学、USDAから分譲を受けた種子を用いた。
- 選定した有望品種・系統はオオムギ雲形病抵抗性系統の育成のための交配母本として利用するとともに、北陸皮系統は各県における奨決の評価を受ける。
具体的データ



その他
- 研究課題名:大麦・はだか麦の需要拡大のための用途別加工適性に優れた品種の育成と有用系統の開発
- 課題ID:311-d
- 予算区分:委託プロ(加工プロ3系、ブラニチI系)
- 研究期間:2004~2008年度
- 研究担当者:山口修、伊藤誠治、青木恵美子(作物研)、馬場孝秀(福岡県農業総合試験場)、森脇丈治
- 発表論文等:山口ら(2009)北陸作物学会報、44:57-59