消費者に高鮮度カット野菜による食材セットを提供できる受注・販売システム

※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。

要約

消費者がパソコンや携帯電話から注文でき、その注文データから原材料野菜の加工形態・分量を自動計算する機能を装備した、農産物直売所向けのカット野菜セットの受注・販売の支援システムである。

  • キーワード:カット野菜セット、パソコン、携帯電話、消費者、WEB、直売所、高鮮度
  • 担当:中央農研・マーケティング研究チーム
  • 代表連絡先:電話029-838-8481
  • 区分:共通基盤・経営
  • 分類:技術・普及

背景・ねらい

農産物直売所は地産地消の拠点として発展してきたが、比較的時間に余裕のある消費者の利用にとどまっている。一方、下ごしらえや食材の使い回しが面倒、生ゴミが増えるといった理由で青果物を買い控える消費者も見られる。そこで、地元産のカット野菜を用いた食材セットを消費者が家庭のパソコンや携帯電話から注文でき、直売所が注文に応じて必要な野菜を簡易に調達し加工・セット化するための受注・販売システムを開発する。

成果の内容・特徴

  • 本システムは、高鮮度カット野菜の食材セットを提供できるパスワード管理機能付きのWEBソフトウエアである。消費者がインターネット接続されたパソコンや携帯電話によりカット野菜を用いた食材セットの受発注システムから注文すると、そのデータから1日あたりの野菜の発注量や加工形態・分量が品目別に計算される(図1)。
  • 直売所のシステム管理者は、商品管理画面で食材セットのメニューを作成するとともに、各メニューで使用する野菜のカット方法、必要分量を入力する(図2)。
  • 食材セットの情報は、消費者の注文画面に反映され、消費者はそこから食材セットの注文を行う(図3)。
  • 注文データから翌日に必要な野菜の数量が自動的に計算され、発注量シートが作成される。このシートに基づいて生産者に原材料野菜を発注する。
  • また、各食材セットの注文数及び品目別必要分量から全体の加工量・加工形態が積算され、品目別加工量シートが作成される。加工担当者はこのデータを基に納品された野菜をカットし、食材セットを作成する(図4)。
  • 食材セットごとに商品名・価格・レシピ・原材料名などが表示されたラベルが自動的に印刷される。原材料名は自動的に重量の多い順に表示されるため、このラベルを食材セットに添付することでJAS法に対応できる。
  • 注文データから必要な野菜の発注量、加工形態・分量が瞬時に計算されるため、販売前日の夜あるいは当日の朝まで注文を受け付けることが可能であり、高鮮度の地元産野菜を使用したカット野菜を消費者に提供できる。

成果の活用面・留意点

  • 高鮮度な野菜をカット・セット化して幅広い消費者に販売することで、地産地消を促進できる。
  • 本システムの導入には下記からパンフレットを入手して検討されたい。
  • 本システムは農林水産省・農業改良普及推進事業(産学官連携経営革新技術普及強化促進事業)によって得られた成果である。ただし本成果情報の記載内容は農林水産省の見解ではない。

具体的データ

図1 カット野菜を使用した食材セット受注・販売システムの概略図

図2 商品管理画面

図3 注文画面(携帯版)

図4 品目別加工量の画面

その他

  • 研究課題名:消費者・実需者ニーズを重視した農産物マーケティング手法の開発
  • 課題ID:311i
  • 予算区分:基盤費、産学官連携経営革新技術普及強化促進事業(農林水産省)
  • 研究期間:2008~2009年度
  • 研究担当者:大浦裕二、佐藤和憲、山本淳子、河野恵伸
  • 発表論文等:大浦ら:農畜水産物材料セット受注装置、農畜水産物材料セット受注方法および農畜水産物材料セット受注プログラム、特開2006-350422