AIC(赤池の情報量基準)のうち、誤差が正規分布に従う場合のためのものとして広く利用されているものは、分散の最適化が行われていないため、正確な結果を与えない。そこで、分散を可変にして最適化すると、得られるAICは従来のものとは異なる。これを「究極のAIC」と呼ぶ。このときの分散は、最尤分散とも不偏分散とも異なる。これを「第三の分散」と名付ける。
優れた回帰式や数理モデルを作成するために、モデル選択基準が重要な役割を果たす。そうしたモデル選択基準の一つにAIC(赤池の情報量基準)がある。誤差が正規分布をしているときは、AICcがAICよりも精度の高い統計量になる。誤差が正規分布をしているときのAICやAICc は誤差分散として最尤分散を用いる。しかし、誤差分散としてその他のものを用いることも考えるべきである。
(竹澤邦夫)