混合モデルの分散推定においてREML(REstricted Maximum Likelihood:制限付き最尤法)を使うのが普通である。しかし、数値シミュレーションを行った結果、予測の点では、REMLが与える分散より大きい値を推定値とするべきであることが分かった。
混合モデルにおける分散推定においては、REMLが与える推定量が不偏推定量に近いため、標準的な推定方法とされている。そこで、混合モデルのうち単純なものの推定において、REMLが与える分散が、予測(平均対数尤度)の意味で妥当な結果を与えるかどうかを検証した。これは、平均対数尤度を最大にすることによる推定の例である。これまで、平均対数尤度は、AICなどによるモデル選択で利用されてきた。しかし、推定においても平均対数尤度を用いることによって、予測の意味での最適な推定が実現することを示すことが目的である。