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ダイズ種子貯蔵タンパク質(グリシニンA2B1aサブユニット)遺伝子の種子での高発現に必要なその3’下流域配列の長さを同定した。組み換えタバコ植物体をもちいた系での解析の結果、polyA付加部位より下流180bpまでの配列が必要であることを立証した。
組み換えタンパク質の大量発現は、大腸菌を初め、酵母、昆虫細胞などのおおくの細胞をホストとして試みられている。植物細胞および植物体を宿主とした系についても報告は多いが、発現量は未だ低く、実用的でない。しかし、培養槽や高価な培地を必要としない点や、目的産物の回収の容易さなどを考えると、ダイズの種子貯蔵タンパク質の発現系が組み換えタンパク質発現に利用できれば、もたらされる効用は絶大で、分子農業という新しい産業を生み出す可能性がある。これを達成するために、まず、貯蔵タンパク質のように大量に発現している遺伝子の転写制御を明らかにすると共に、大量発現に必要なシス因子同定することが重要である。すなわち、植物高発現ベクターの開発を目的とする。
研究成果は学術雑誌に投稿する予定。ダイズ貯蔵タンパク質グリシニン遺伝子の種子での大量発現に必要な5’および3’下流域の配列が同定されたので、目的遺伝子をこれらの配列に挟み込むことで、植物種子高発現ベクターが構築できる。