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Vibrio angillarumに特異的なDNA断片を同定する とともに,非放射性物質標識DNAプロープを用いたコロニーハイブリダイゼーション法による本菌の迅速同定技術を開発した。
Vibrio anguillarumを起因菌とするビブリオ病は,細菌性魚病の中でも古くから知られている疾病の一つである。本病の養殖産業界に与える被害は甚大であり,その被害を最小限にとどめるためには,本病の迅速かつ信頼性の高い診断法が必要である。しかし,本病は症状からは他の細菌性感染症と区別し難く,診断の困難な魚類細菌病の一つとなっている。本病診断のために,従来は細菌学的性状検査による分離菌株の同定が実施されてきた。しかし,分離菌株の菌種同定には,多くの労力と時間を要するため,従来の方法に代わる簡便・迅速かつ特異的な同定法が望まれている。そこで,近年病原細菌の新しい同定法として注目されている,遺伝子の特異的塩基配列を利用したV.anguillarumの迅速同定法について検討した。
本法は,非放射性物質であるジゴキシゲニンで標識したプローブを使用するので,ラジオアイソトープを使用できない一般の検査室でも実施可能である。また,少量の培養菌があれば,翌日には結果が判明するので,V.anguillarumの簡易迅速同定法の一つとして活用できる。