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Differential Display法を用い、LPSで誘導されてくる遺伝子の大量解析を行った。免疫系に関与すると言われている既知の遺伝子群の他に新規の遺伝子クロ-ンが 多数得られた。これらの遺伝子の中に家畜の生体防御能の強化に役立つ遺伝子が存在する可能性がある。
哺乳類の細胞では約10万種類の遺伝子が存在するが、個々の細胞ではその15%くらいが発現していると考えられる。どの遺伝子が発現するかは、臓器、細胞の種類(T cell、Bcell、マクロファージ)刺激の有無(感染、環境ストレス)など様々な条件によって変化する。Differential Display法はPCR法を利用した方法で、異なる状態にある細胞どうしの遺伝子発現を一度に比較するものである。今回は腹腔マクロファージにおけるLPS誘導性遺伝子のm-RNA3'領域を大量にクローニングした後、遺伝子配列の解析を行った。
LPS誘導性遺伝子群の中に、マクロファージ機能の向上、免疫系の強化を狙える遺伝子が存在している可能性がある。またDifferential Display法を用いて病原因子誘導性遺伝子の検索、病態時に増減する遺伝子の検索、抗病性家畜と非抗病性家畜での遺伝子発現の比較を細胞レベルで行うことが可能となった。