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地球の温暖化に対応した寒地型牧草の栽培地域の変動予測を行った。ニューラルネットワーク手法により生産量と気温及び日射量の関係を明らかにし、気候シナリオを用いて乾物生産区分図を作成した。高CO2濃度の直接の影響についても検討した結果、夏枯れ地域は拡大し、寒地型牧草の栽培地域は縮小することが予測された。
いくつかの気候シナリオによって予想されている温室効果ガスの増加による地球規模での気候変化は、来世紀の初めに温暖化として我々の暮らしに影響をもたらすことが懸念されている。草地畜産にとってもその影響を予測し、対策を検討することが急務である。わが国の主要な牧草である寒地型牧草は、現在でも関東以西では夏期の高温によって夏枯れによる生産低下が起きており、温暖化によって夏枯れが一層深刻化すると予想される。一方、温暖化の原因の一つであるCO2濃度の上昇は牧草の生産を増加させることも知られている。そこで、温度上昇の影響、及び高CO2濃度の増収効果の影響を合わせて評価するとともに、草種による対応の可能性を検討する。
地球規模での環境変動(気候シナリオ)に対応した牧草の生産力の変動予測を行った。気候シナリオに基づく気温データを用いて各草種の乾物生産区分図を作成した結果、夏枯れ地域が拡大することが予測された。生産量を増加させると言われている高CO2濃度の増収効果を加味しても、夏枯れ地域はあまり改善はされないと予測された。