土地利用計画策定のための草地造成・整備支援システム

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要約

草地の造成・整備の際に必要となる基礎メッシュデータを整備し、採草地、放牧地などの配置を標高、傾斜度などの立地条件に応じて、最適な土地利用となるよう決定するための対話形式の支援システムを開発した。

  • 担当:草地試験場・草地計画部・造成計画研究室
  • 連絡先:0287-36-0111
  • 部会名:草地・永年草地・放牧
               総合農業・情報研究
  • 専門:農村整備
            情報管理
  • 対象:牧草類
  • 分類:研究

背景・ねらい

草地の造成・整備に当たっては、立地条件並びに管理・運営目標に応じて適切な採草地、放牧地等の配置計画を行い、必要十分な生産量を確保する必要がある。また、施設配置に際しては、景観に対する配慮も必要である。そこで、計画対象地域内の土地利用を設計者が対話形式で策定するためのシステムを開発する。

成果の内容・特徴

  • 本システムは、データ整備サブシステムと、対話形式のシミュレーションサブシステムからなる(図1)。
  • データ整備サブシステムは、1/25,000地形図(国土地理院)、国土数値情報(同左)メッシュ気候値(気象庁、農業研)より、標高、傾斜度、方位角、月別積算日射量、月別平均気温、草種別・月別乾物生産量等のメッシュデータを作成する。整備するメッシュデータは、スキャナで読み取った最大1000haまでの範囲の対象地区を含む地形図から、ニューラルネットワーク、メッシュデータ表示システム等により計算された10~40m2(可変)単位の約25万のメッシュデータである。
  • シミュレーションサブシステムでは、傾斜の上限、草種、最小面積等の条件を入力すると、採草地、放牧地などの土地利用類型区分別に面積と配置が、さらに、オーチャードグラス、トールフェスクなどの草種別の乾物生産量を区分別に推定できるとともに、年間生産パターンと生産量を出力する。また、任意の地点から任意の方向を眺めたときの簡単な景観も出力できるため、施設の配置位置を事前に検討できる(図2)。

成果の活用面・留意点

  • 本システムの利用により任意の地点における任意の草種を用いた草地造成・整備のための基礎データが得られ、同時に草地の再編・整備の際の有効な道具となる。
  • 気象庁等のデータの利用には制約があるので、利用の際には当研究室への連絡が必要である。またシステムはPC-9801シリーズ(NEC)専用であり、すべての機能を利用するためには、スキャナ、ハイパーフレーム((株)デジタルアーツ)、ハードディスクが必要である。

具体的データ

図1 システム全体の概要

図2 シミュレーションサブシステムの利用例

その他

  • 研究課題名:草地造成方法の立地条件別評価指標の策定
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成6年度(平成元~6年)
  • 発表論文等:草地造成・整備計画に関するメッシュデータのパーソナルコンピュータ
                      による画像表示システム、日草誌37(別):111~112
                      ニューラルネットワークによる牧草潜在生産力の推定手法、日草誌39(別)
                      :165~166
                      草地造成・整備のための土地利用計画決定支援システムの試作、日草誌41
                      (別):159~160