凍結処理過程における曝磁による牛および豚の精子の生存性の改善
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要約
凍結前および凍結時に牛および豚の精子を曝磁することにより、融解後の精子生存性を改善することができた。
- 担当:畜産試験場・繁殖部・繁殖第1研究室
- 連絡先:0298-38-8632
- 部会名:畜産
- 専門:繁殖
- 対象:乳用牛・肉用牛・豚
- 分類:指導
背景・ねらい
凍結精液の融解後の生存性をできるだけ高めることは、受胎率の向上および精液の効率的利用に役立つのみでなく、耐凍性が劣る個体から凍結精液を安定的に生産するために有効である。この研究は、凍結前の5°C冷却過程、凍結過程あるいはその両過程において磁力を作用させることによって、融解後の精子の生存性を改善することが可能であるかを牛および豚について明らかにしようとした。
成果の内容・特徴
- 牛精子
希釈精液の入った径10mmの試験管を二個の永久磁石でN極とS極が引き合うように挟んで凍結前の5°C保存過程で200または500ガウス、4時間曝磁した精子は、非曝磁精子に比べて凍結・融解後の生存性が優れていた(表1)。凍結時の曝磁も融解直後およびその後の精子の生存性を向上させた。さらに、5°C保存と凍結の過程(30×45mmで4,000ガウスの永久磁石3個ずつを55mm幅で相対するように配置し、その間にストローを横に並べて液体窒素蒸気で凍結)で曝磁することによって、いずれか一方の過程の曝磁よりも生存性が改善された(表2)。
- 豚精子
第1次希釈から第2次希釈までの3時間に200または500ガウス曝磁した精子の凍結・融解後の生存性は、非曝磁精子よりも明らかに優れていた(表3、実験1)。また凍結時の曝磁は融解後の精子の生存性を改善した。磁束密度でみると、4,000ガウス下で凍結した精子の生存性は200ガウス下のそれより優れていた(表3、実験2)。しかし、耐凍性の優れた精子では効果は不明確であった。
成果の活用面・留意点
ストロー精液は4,000ガウスの磁石が相対する55mm幅の間に並べて凍結したので、ストローに作用した磁束密度は4,000ガウスよりも少ない。精子の生存性の改善効果は、耐凍性のやや劣る精子において明瞭に認められる。
具体的データ



その他
- 研究課題名:精子の生存並びに受精能の維持に対する磁場の影響
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成5~6年度
- 発表論文等:1)豚精子の凍結における静磁場の影響、日本養豚学会誌、31 (4)
講演要旨), p161 (1994)
2)牛精子の凍結における静磁場の影響、第90回日本畜産学会大会講演
要旨, p150 (1995)