梅山豚とゲッチンゲンミニ豚の交雑家系を用いた連鎖地図(ToNMaP)の作製

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要約

梅山豚とゲッチンゲンミニ豚との交雑家系を用いてDNAマーカーの連鎖地図を作製した。マーカー数は243個、全長2562cM、平均間隔11cMである。

  • 担当:畜産試験場育種部家畜ゲノムチ-ム
  • 連絡先:0298-38-8627
  • 部会名:畜産
  • 専門:育種
  • 対象:豚
  • 分類:研究

背景・ねらい

豚の肉質、繁殖性、抗病性などを左右する遺伝子は、ほとんど特定されておらず、現在の育種改良は表現型(測定値)を対象とした長い年月にわたる選抜によっておこなわれている。連鎖地図を用いてこれらの遺伝子の染色体上の位置を特定できれば、その近傍のDNAマーカーを用いて育種改良を格段にスピードアップできる。そこで我々は梅山豚とゲッチンゲンミニ豚との交雑家系を用いてDNAマーカーの連鎖地図を作製した。

成果の内容・特徴

  • ゲノム全体に合計243個のDNAマーカー(237個のマイクロサテライトマーカー、5個のPRE-1マーカー、1個のRFLPマーカー)を配置することができた。このうち26個が日本で開発したDNAマーカーである。
  • (連鎖地図)の全長は2562cM、マーカーの平均間隔は11cMであった。
  • すでに報告されている連鎖地図がカバーしているゲノムの領域を5つの染色体でさらに拡大することができた。

成果の活用面・留意点

連鎖地図は家畜の生産性、肉質、繁殖性、抗病性など複雑な形質を解析するための基礎となるものである。今回作製したDNAマーカーの(連鎖地図)はブタのゲノムのほぼ全領域を11cMの平均マーカー間隔でカーバーしており、経済形質とこれらDNAマーカーとを連鎖解析することにより、経済形質を支配する遺伝子座 (ETL; Economic Trait Locus)のゲノム上のおよそ位置を決定することができる。ETL解析の結果に基づいて、遺伝子の位置をさらに詳細に解析することにより、遺伝子の単離、遺伝子の近傍のDNAマーカーを用いた選抜育種法の開発が期待される。

具体的データ

連鎖地図

その他

  • 研究課題名:遺伝子地図作製と有用遺伝子の利用技術の開発
  • 予算区分:経常 (共同交流)
  • 研究期間:平成9年度(平成6~9年度)
  • 発表論文等:
    1) 梅山豚とゲッチンゲンミニ豚の交雑家系を用いた連鎖地図(ToNMaP)の作製家畜ゲノム国際ワークショップ要旨, p47-50 (1997)
    2) A Swine linkage map based on inter-cross population between Meishan and Goettingen miniature pigs, 6th World Congress on Genetics Applied to Livestock Production Proceedings 26 385-388 (1998)