イネ科植物からのネオティフォディウム・エンドファイト探索

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要約

87属230種のイネ科植物からエンドファイトの探索を行ったところ、13属27種の植 物からネオティフォディウム・エンドファイトが分離された。そのうち11属19種の植物はエン ドファイト感染が新たに確認された。

  • 担当:草地試験場・環境部・作物病害研究室
  • 連絡先:0287-37-7556
  • 部会名:生産管理
  • 専門:作物病害
  • 対象:作物病害
  • 分類:研 究

背景・ねらい

多くのイネ科植物には、エンドファイト(共生菌)が感染しており、このエンドファイトに感 染した植物は新たに各種の環境ストレスに耐性を示すことが知られている。ここでは国内で収 集したイネ科植物からエンドファイトを探索する。

成果の内容・特徴

  • 3カ年にわたり1都1道15県の道路わき、河川敷、林縁などの744地点から 87属230種のイネ科植物を収集した

    (表1)。

  • それぞれのイネ科植物の地際部茎、葉身、穂軸からエンドファイトの分離を行った 。 その結果、13属 27種のイネ科植物からエンドファイトが分離された。分離されたエンド ファイトは分生子の形態、形成法などからNeotyphodium属に属すものであった。
  • エンドファイトが分離された植物のうち、11属19種の植物は新たにエンドファイト 感 染が確認されたものである

    (表2) 。

成果の活用面・留意点

  • ネオティフォディウム・エンドファイトの探索は、タケ亜科、イチゴツナギ亜科の植 物 を重点的に行うと効率的である。

具体的データ

表1 エンドファイトの分離のために収集した植物数と感染植物数

表2 エンドファイトが分離された植物名(○:新たに感染が確認されたもの)

その他

  • 研究課題名:新形質付与のためのエンドファイトの機能解明
  • 予算区分 :パイオニア特研(エンドファイト)
  • 研究期間 :平成11年度(平成8年~10年)
  • 研究担当者:島貫忠幸、榎本敬(岡山大)、月星隆雄、菅原幸哉、大久保博
  • 発表論文等: 8種のイネ科植物から新たに分離されたネオティフォディウム・エンドファイト、日植病報、63巻、496(1997). エンドファイトに感染しているイネ科植物の分類群について、日本雑草学会誌、第43巻別号、76-77(1998).