農林水産業に対する野生生物の被害状況とその防御対策

※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。

要約

農作物,家畜,林業および水産業に被害を及ぼす野生生物の特徴,被害発生状況と防除対策を記述するホームページを作成して,広く情報を提供する。

  • 担当:畜産試験場 企画調整部 研究技術情報官
  • 連絡先:0298-38-8779
  • 部会名:畜産
  • 専門:情報処理
  • 対象:野生動物
  • 分類:指導

背景・ねらい

近年,カラス・スズメ等の鳥類,シカ・イノシシ・サル等の獣類による農作物,森林および家畜への被害が増加してきている。また流通のグローバル化は家 畜・畜産物の輸出入の増加を伴い海外の伝染病や昆虫が侵入する危険性が増大している。さらに水産分野では有害プランクトンによって引き起こされる貝毒が発 生し,養殖業を中心に深刻な被害を受けている等の状況がある。そこで,このような被害をもたらす野生生物等の特徴,被害状況ならびにその防御策をウェブサイトで発信し,専門家だけでなく一般の人にも情報を提供する。

成果の内容・特徴

  • 対象とした野生生物は獣類11種,鳥類7種,家畜害虫8種(属)及び飼料の品質をおとす微生物6種(属)である (表1)。
  • 取り上げた種の生物学的な記述は,特徴,形態,生態,食性,繁殖,分布および関連資料に分け (表1),平易な文章で行ない,関連サイトにはリンクが張ってあるので移行が容易である。
  • 農作物の被害状況(面積)は鳥獣毎に年次変化(昭和57年以降,全国統計),近年の被害状況は農作物別,地方・農作物別,鳥獣種・農作物別にグラフ化してあり,容易に地方毎の被害の特徴(主に加害する鳥獣種や主に被害を受ける農作物等)が視認できる。
  • 被害の防除法は,鳥害では農作物別に簡単な記述を行なうとともに防除方法毎(視覚,聴覚,味覚等)についても紹介している。獣類では家庭菜園的な小面積の防除法と大面積の防除法をあわせて紹介している (図1)。
  • 構築したホームページは監視伝染病(家畜衛生試験場URL:http://www.niah.affrc.go.jp/fact /kansi.html),森林生物(森林総合研究所URL:http://cs.ffpri.affrc.go.jp/cgi-bin/fdb /seibut/bcg.pl)および貝毒(瀬戸内海区水産研究所)と相互にリンクして情報を提供する。

成果の活用面・留意点

  • 掲載内容,写真や図表の転載に当たっては著作者の許諾を得ること。
  • 農作物の被害面積(農産園芸局植物防疫課)は現在見直し作業中であり,鳥獣関連ページの公開はこの作業終了後となる。

具体的データ

図1 ホームページの概念図

 

表1 「野生生物の被害とその対策」に掲載した類・種(属)と記述内容

 

その他

  • 研究課題名:農林水産有害生物等ファクトデータベース
  • 予算区分:ファクトデータベース(有害生物)
  • 研究期間:平成12年度(平成10年~12年度)
  • 研究担当者:寺田隆慶,(佐藤国雄 家畜衛生試験場),(吉田成章 森林総合研究所),(小谷祐一 瀬戸内海区水産研究所)
  • 発表論文等:野性生物の食害とその対策 URL(http://ss.niai.affrc.go.jp/JIS/JHK/wldlf/wldlf.htm(仮)