サイレージ用とうもろこし一代雑種親自殖系統「Ho49」
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要約
サイレージ用とうもろこしの親自殖系統「Ho49」(エイチオーヨンジュウキュウ)を育成した。本系統は中生のフリント種で、耐倒伏性とすす紋病抵抗性に優れ、デント種との組合せ能力が高く、一代雑種品種の親系統として利用できる。
- 担当:北海道農業試験場・草地部・飼料作物育種研究室
- 連絡先:011-857-9317
- 部会名:育 種
- 専門:育 種
- 対象:飼料作物類
- 分類:普 及
背景・ねらい
わが国の栽培環境への適応性の高いとうもろこしの優良F1 品種を育成するためには、優秀な親自殖系統の育成が不可欠である。フリント種はデント種との組合せ能力が高く、多収F1品種の親系統として利用されてきたが、耐倒伏性に劣ることが問題とされていた。そこで、耐倒伏性に優れるフリント種の優良自殖系統を育成しようとした。
成果の内容・特徴
- 「Ho4×N85」(ヨーロッパフリント×北方型フリント)を母材とし、病害抵抗性、耐倒伏性、雌穂特性などについての選抜と自殖により育成した。
- 早晩性は北海道では「中生」に属する
(表1)
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- 初期生育は「良」、稈長はやや高いが着雌穂高は平均的で、稈径はやや細い。雌穂は先端円錐形で粒列数は平均11.8列、子実は黄褐色で丸形である
(表1)
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- すす紋病抵抗性およびごま葉枯病抵抗性は「やや強」、黒穂病抵抗性は「弱」で、耐倒伏性は「強」である
(表2)
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- 採種性は、実収量で29.8kg/aと同熟期のデント種自殖系統よりやや低いが実用的な水準にある。花粉飛散程度は「中~やや良」である
(表1)
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- デント種自殖系統との組合せ能力は高い。本系統を片親とする単交雑F1 系統「北交55号」は、普及品種と比較して、耐倒伏性に優れ、多収である
(表3)
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成果の活用面・留意点
- サイレージ用とうもろこしF1 品種の親系統として利用できる。
- 黒穂病抵抗性は「弱」なので、単交雑F1育成時の交配相手には本病抵抗性の強い系統を用いる。
具体的データ



その他
- 研究課題名:優良交配親自殖系統の育成
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成12年度(昭和59年~平成12年)
- 研究担当者:濃沼圭一、佐藤 尚、榎 宏征、三浦康男、岡部 俊、長谷川春男、門馬栄秀、重盛 勲、高宮泰宏