飼料作物の作付けからみた主要外来雑草の発生動向
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要約
飼料畑において発生頻度の高いイチビ、ショクヨウガヤツリに加え、アメリカイヌホオズキの発生面積の増加が著しい。しかし、発生する主要外来雑草の種類は作付けによって大きく異なる。
- 担当:草地試験場・飼料生産利用部・栽培生理研究室
- 連絡先:0287-37-7802
- 部会名:生産管理
- 専門:雑草
- 対象:飼料作物類
- 分類:研究
背景・ねらい
飼料畑に発生する外来雑草は飼料作物の生産を大きく阻害するため、問題となる外来雑草の発生動向を把握し、効率的な防除を進める必要がある。雑草の発生は
作付けに大きく影響を受けると考えられるため、ここでは圃場レベルでの作付けパターンと雑草発生頻度との関係を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 飼料畑が集中する地域で、圃場ごとの雑草発生の調査を1998年から2000年にかけて行った。イチビとショクヨウガヤツリの多発圃場の面積が年々増加傾向にある。また、アメリカイヌホオズキの増加が1999年から2000年にかけて著しい
(図1)
。
- イチビとショクヨウガヤツリの発生について三年間の圃場数の変化をみると、イチビは新たな圃場に出現するケースが多い反面、発生のなくなる圃場もあるが、ショクヨウガヤツリは前年度と同じ圃場に発生する割合が高い
(図2)
。
- 三年間の作付けから2000年の雑草発生頻度をみると
(表1)
、イチビやアメリカイヌホオズキは過去の作付けに関わらず、トウモロコシを作付けしている圃場(番号1、2、3)で発生頻度が高い。また、ショクヨウガヤ
ツリやアレチウリは、トウモロコシ以外にイタリアンライグラスの通年作付け圃場(番号4)や夏に休耕している圃場(番号5、6)でも発生頻度が高く、発生
する雑草の種類は作付けによって大きく異なる。
成果の活用面・留意点
- 本情報は、作付けごとの雑草の発生パターンと圃場管理方法との関連を見いだす上での基礎資料となる。
- 気象・立地条件によって雑草発生のパターンが異なるため、地域ごとのデータの蓄積が必要である。
具体的データ



その他
- 研究課題名:強害外来雑草の遺伝的背景の解明と拡散予測システムの構築
- 予算区分 :特別研究員・経常
- 研究期間 :平成12年度(平成10年~13年)
- 研究担当者:渡辺 修、黒川俊二、尾上桐子、吉村義則
- 発表論文等:GPSを利用したデータベースで見た外来雑草の圃場・地区レベルでの拡散について.雑草研究(別)45巻:188-189、2000