気象と堆肥投入量を要因とするイタリアンライグラスの収量予測モデル

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要約

日射量と気温の気象条件、および化成肥料と堆肥由来の無機窒素量を要因としたモデルで、酪農での主要な自給飼料の一つであるイタリアンライグラスの1番草収量を予測する。

  • 担当:草地試験場・生態部・草地生態システム研究室
  • 連絡先:0287-37-7225
  • 部会名:永年草地・放牧
  • 専門:生態
  • 対象:牧草類
  • 分類:研究

背景・ねらい

イタリアンライグラスは酪農での主要な冬作自給飼料であるが、気象条件や堆肥の投入量によって収量が変動するため、これらを要因として収量を予測しようとする

成果の内容・特徴

  • 作付け時の窒素量投入量、および出芽後の毎日の気温と日射量を入力することにより、1 日当たりの乾物増加量を算出し、前日の乾物量に加算して求めるモデルであ る (図1) 。
  • 窒素投入量は、堆肥からの無機窒素放出量と化成肥料窒素量の合計である。堆肥窒素の85%を分解性の窒素と仮定し、1年間の窒素放出率を35%として、毎年の堆肥からの窒素放出量を算出する (図1) 。
  • 窒素投入量が一定条件では、生育期間における生育量を良く再現したが (図2) 、異なる堆肥投入量における収量の推定では精度がやや低下する (図3) 。

成果の活用面・留意点

  • 冬作イタリアンライグラスの、1番草収量の予測に活用できる。
  • 窒素以外の肥料成分は適切に施用されることを前提としている。異なる品種に対しては、1番草収量をワセアオバと比較して係数を乗じる等の対応を行う必要がある。

具体的データ

図1 イタリアンライグラスの生育量予測モデル

図2 生育期間における計算値と実測値との比較

図3 異なる堆肥施用量でのイタリアンライグラス収量

その他

  • 研究課題名:自給飼料依存型酪農における物質収支モデルの構築
  • 予算区分 :畜産対応研究〔自給飼料基盤〕
  • 研究期間 :平成12年度(平成10年~12年)
  • 研究担当者:高橋繁男、坂上清一、中神弘詞