フリーストール牛舎における搾乳牛の排ふん量と排ふん位置

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要約

フリーストール牛舎における搾乳牛の日排ふん量は49 ~59kg/頭、日排ふん回数は19 ~24 回/頭、一回あたり排ふん量の平均は2.1 ~2.6kg/回程度であった。排ふんはフリーストール後縁近傍で多く、搾乳牛の場所別滞在率とその場所近辺の排ふん量とは比例する。

  • キーワード:フリーストール牛舎、排ふん量、排ふん位置、飼育管理、乳用牛
  • 担当:畜産草地研・家畜生産管理部・家畜管理工学研究室
  • 連絡先:0298-38-8678
  • 区分:畜産草地
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

群飼養下の牛舎内における搾乳牛の排ふん位置や排ふん量を知ることは、ふん搬出作業法の改善を図る上で重要であると考えられるが、これの調査実施 例は少ない。ここでは、フリーストール牛舎での排ふん位置と排ふん量および牛滞在場所の調査を行いその特性を把握することを試みた。

成果の内容・特徴

  • 搾乳ロボットを設置したフリーストール牛舎(長さ19m ×幅15m (給飼通路幅4m )対頭式12 ×2 列、2 通路、パドック128m2)において、舎内及びパドックのふん位置と重量について逐次計測記録しながらこれを収集搬出する24 時間調査を、搾乳牛の滞在場所調査とともに季節と給飼回数が違う場合について実施した。
  • 搾 乳牛の日排ふん量は49 ~59kg/頭、日排ふん回数は19 ~24 回/頭、一回あたり排ふん量の平均は2.1 ~2.6kg 程度であった(表1)。
  • 1時間1頭あたりの排ふん量は、平均で2.1 ~2.5kg となり、変動係数は30.5 ~36.2%程度の数値を示した。給飼回数増による変動係数減少は観測されなかった(表2)。
  • 牛舎横断方向の位置別排ふん量はストール後縁近傍の通路幅1.2m の範囲に多い傾向を示し、フリーストール牛舎においては排ふん場所の偏在がみられる。飼槽側通路の排ふん量はパドック側通路より多い(図1)。
  • 搾乳牛の滞在率%(その場所で観測された延べ頭数/延べ収容頭数)が高い場所ほど、その場所近辺のふん重量%(その範囲で収集されたふん重量/全収集ふん重量)が高くなる(図2)。

成果の活用面・留意点

  • フリーストール牛舎での排ふん行動、ふん搬出法検討の資料となる。
  • 1 時間毎に静粛性に配慮しながら牛舎内に進入して調査した結果である。

具体的データ

表1 日排ふん量と排ふん回数

 

表2 1時間・1頭あたり排ふん量

 

図1 横断方向の排ふん量分布(99.3/99.7)

 

図2 場所別のふん重量%と滞在率(3回調査平均)

 

その他

  • 研究課題名:糞尿処理量軽減のための家畜行動解析
  • 予算区分:交付金
  • 研究期間:1998 ~2001 年度
  • 研究担当者:長谷川三喜、本田善文、市来秀之、池口厚男
  • 発表論文等:長谷川ら(2000)、2000 年度農業施設学会講演要旨集 160-161