レール走行式堆肥クレーンの稼働状況管理システム

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要約

レール走行式堆肥クレーンを装備した堆肥化施設において、材料の投入、切り返し、乾燥材料の搬出(堆肥の搬出)などに関わる稼働状況、取扱量、消費電力量などの情報を管理するシステムで、月別の材料投入量や堆肥生産量などが容易に把握でき、堆肥の計画的利用が可能になる。

  • キーワード:農業施設、環境保全、堆肥化施設、レール走行式堆肥クレーン、稼働状況管理システム
  • 担当:畜草研 家畜生産管理部 資源循環研究チーム
  • 連絡先:0287-37-7004
  • 区分:畜産草地、共通基盤・作業技術
  • 分類:技術・参考

背景・ねらい

家畜の飼養頭数規模の拡大が進む中で、飼料作面積の不足や不適切なふん尿処理による悪臭の発生、環境汚染などの問題が顕在化している。これらを解決するには、ふん尿を適切に管理し、堆肥の生産状況や生産量を把握して計画的に利用する必要がある。
そこで、レール走行式堆肥クレーンを装備した堆肥化施設において、堆肥材料の投入、切り返し、通気、乾燥材料の搬出(堆肥の搬出)などに関わる稼働状況、取扱量、消費電力量などの情報を管理するシステムを開発する。

成果の内容・特徴

  • レール走行式堆肥クレーンによる堆肥化処理施設の稼働状況を管理するシステムは、材料を投入する分配台車や堆肥クレーンに取り付けられたロードセル、操作制御板に取り付けた電力管理ユニット、これらの情報を収録するデータサーバ及びPCから構成される(図1)。
  • 堆肥化処理における各作業の開始・終了時刻、及び消費電力は、電力管理ユニットで計測し、データサーバに収録する。また、材料の投入、切り返しな どの作業における取扱量は、分配台車や堆肥クレーンにロードセルを設置し、作業が行われる毎に測定して、データサーバに収録する。収録したこれらの情報 は、PCに毎日定時刻(午前0:00)に収録され、月別ファイルとして保存する。
  • 稼働状況管理システムで得られたデータは、牛舎に投入される敷料や戻し堆肥、及びふん尿排泄量などから算出した計算値と適度に合致しており、実用に供し得る管理情報として利用できる(図2)。
  • 平成13年1月から12月上旬における運用では、材料投入量が334t、堆肥の生産量が173t(図3)、乾燥堆肥の生産量が87tで、消費電力量の内訳は、通気が95.7%、材料投入が2.8%、切り返しが1.2%、搬出が0.4%であることが示される。

成果の活用面・留意点

  • レール走行式堆肥クレーンが装備されている堆肥化処理施設への導入により、堆肥の生産状況が把握でき、計画的な堆肥の利用が可能になる。
  • 本システムを既存の施設に導入する場合は、ロードセル、電力管理ユニット、データサーバ及びPCなどが必要で、おおむね200万円程度の経費となる。

具体的データ

図1 堆肥クレーンの稼働状況管理システムの系統図

 

図2 材料投入量の実測値と計算値との関係

 

図3 月別処理量と堆肥生産量

 

その他

  • 研究課題名:資源循環型モデルでのICカードモニタリングシステムの開発
  • 予算区分:ICカード
  • 研究期間:1999~2001年度
  • 研究担当者:加茂幹男、喜田環樹、澤村篤、青木康浩、河本英憲、張建国、住田憲俊、石田三佳