寒地型牧草を導入した耕作放棄地の放牧条件下における牧草生産量
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要約
耕作放棄された水田跡、野菜畑跡及び樹園地跡に寒地型牧草の草地を造成後、5年以上放牧利用した草地でも、700~800kg/10aの乾物生産量を確保できる。また寒地型牧草は、乾物重の構成割合で80%以上あり、良好な植生を維持できる。
- キーワード:永年草地・放牧、草地管理、耕作放棄地、寒地型牧草、牧草生産量
- 担当:畜産草地研・山地畜産研究部・山地畜産研究チーム
- 連絡先:電話0267-32-0764、電子メールshigeki@affrc.go.jp
- 区分:畜産草地
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
小区画で分散した耕作放棄地を利用して生産性を重視した放牧技術の開発を行う場合、草地の生産量の維持が問題となってくる。そこで、荒廃した水田跡・野菜畑跡及び樹園地跡に寒地型牧草(オーチャードグラス・ペレニアルライグラス主体)の草地を造成して放牧し、5年以上経過した草地の生産量を検討した。
成果の内容・特徴
- 耕作放棄された水田、野菜畑及び樹園地でも、牧草を導入し1年当たり窒素で12kg/10aの施肥を行い、適切に放牧を行えば、放牧利用を続けて5年以上経過しても、1年当たり700~800kg/10aの乾物生産量を確保できる(表1)。
- 試験区の1日当たりの草の乾物重の増加速度は、春以降、徐々に減少し(図1)、そのため、放牧牛による被食量も減少した(図2)。
- 草種の乾物重での構成割合は、入牧時及び退牧近くでも、オーチャードグラスとペレニアルライグラスを合わせて80%以上あり、造成5~7年後でも良好な植生であった(図3)。
成果の活用面・留意点
具体的データ




その他
- 研究課題名:転作田、耕作放棄地等における草地の造成法、季節生産性及び牧養力の解明
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2001~2005年度
- 研究担当者:手島茂樹、進藤和政、佐藤義和、市戸万丈