草地におけるメタンシンク機能と植生の関係
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要約
シロクローバ草地のメタンシンク機能はオーチャードグラス草地よりも大きく、草地の土壌水分が低いとメタンシンク機能が大きくなる。硫安の施用はメタンシンク機能を低下させる。
- キーワード:草地生態系、地球温暖化、メタンシンク、マメ科牧草、土壌水分
- 担当:畜産草地研・草地生態部・物質動態研究室
- 連絡先:電話0287-37-7558、電子メールamori@affrc.go.jp
- 区分:畜産草地
- 分類:科学・参考
背景・ねらい
草地生態系は全陸域面積の27%を占める重要な植生であり、地球温暖化ガスであるメタンの重要なシンクとして機能している。草地生態系におけるメタンシンク機能の見積もり精度を向上させるためには、その時間・空間スケールでの変動要因を明らかにすることが重要である。本研究では草地生態系の植生、特にマメ科牧草とイネ科牧草の違いに注目して、草地植生がメタンシンク機能に与える影響を明らかにする。
成果の内容・特徴
- マメ科単播草地のメタンシンク機能はイネ科単播草地より大きい(図1)。
- マメ科単播草地、イネ科単播草地とも硫酸アンモニウム肥料の施用により、無施用の場合に比べて、メタンシンク機能は小さくなる(図1)。
- 草地のメタンシンク機能は土壌水分によって変動し、土壌が乾燥状態になるとメタンシンク機能は大きくなる(図2)。
- マメ科単播草地はイネ科単播草地より土壌の容積重が小さく(表1)、土壌水分も低くなる頻度が高い(図2)。
成果の活用面・留意点
- 草地のメタンシンク機能を評価するための基礎資料とする。
- 本観測はシロクローバ草地およびオーチャードグラス草地の結果である。
- 硫酸アンモニウムの施用量はマメ科単播草地、イネ科単播草地に対し、それぞれ70、200 (kgN ha-1)である。
具体的データ



その他
- 研究課題名:温室効果ガス吸収サイトとしての草地の評価
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2001~2003年度
- 研究担当者:森 昭憲、寳示戸雅之、近藤 熙、松波寿弥