茶系飲料残渣TMRサイレージの調製法
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要約
緑茶および麦茶飲料残渣を乾物比10%、20%および30%の割合で配合したTMRサイレージの発酵品質は良好である。栄養成分や消化性を偏らないため、茶系飲料残渣の配合割合は20%以下が適切である。
- キーワード:麦茶飲料残渣、緑茶飲料残渣、TMR、サイレージ、ウシ、飼料利用
- 担当:畜産草地研・家畜生産管理部・飼料調製研究室
- 連絡先:電話0287-37-7804、電子メールcai@affrc.go.jp
- 区分:畜産草地
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
茶系飲料残渣には粗タンパク質、エネルギーおよびビタミン類などの栄養成分が多く含まれているが、茶系飲料残渣は腐敗しやすく、家畜飼料としての調製・
利用法が開発されていないため、現状においては産業廃棄物として処理せざるをえない場合が多い。茶系飲料残渣の飼料調製・利用技術を開発することは、低・
未利用飼料資源の有効利用だけでなく、環境の保全や資源循環型の畜産を進めるためにも極めて有用である。
そこで、茶系飲料残渣と配合飼料,乾草類などを混合し茶系飲料残渣TMRサイレージの調製法を確立するとともに、その発酵品質,めん羊による消化率および栄養価を明らかにする。
成果の内容・特徴
- 緑茶および麦茶飲料残渣をそれぞれ乾物比10%、20%および30%の割合で配合飼料、乾草、乳酸菌「畜草1号」などと混合しTMRサイレージを調製する(表1)。
- 畜草1号乳酸菌製剤を添加した緑茶・麦茶飲料残渣TMRサイレージはいずれもpHが低く、乳酸含量が高く、発酵品質が良好である(表2)。
- 3種類の緑茶飲料残渣TMRサイレージ乾物中のTDNおよび可消化エネルギー(DE)はそれぞれ69.5%、13.4MJ/kg、69.0%、13.4MJ/kg 、65.2%、12.7MJ/kgである。(表3)。
- 3種類の麦茶飲料残渣TMRサイレージの乾物中TDNおよびDEはそれぞれ68.4%、13.3MJ/kg、67.3%、13.1MJ/kg 、63.4%、12.3MJ/kgである。(表3)。
- 緑茶・麦茶飲料残渣30%で配合したTMRサイレージではその栄養成分が偏るため、その消化率および栄養価はNDFを除き低下することから、配合割合は20%以下とする(表3)。
成果の活用面・留意点
- 茶系飲料残さを反すう家畜用TMR飼料として混合調製する場合に活用できる。
- 本成果での消化率や栄養価は、維持レベルで測定されたものであり、生産レベルによる検討が必要である。
具体的データ
その他
- 研究課題名:繊維性農産副産物および食品製造副産物のTMR発酵飼料調製技術の開発
- 課題ID:12-06-05-*-09-03
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2003~2005年度
- 研究担当者:蔡 義民、徐 春城、村井 勝、西田武弘、エルデン バヤル、永西 修
- 発表論文等:1)徐ら(2003)日畜会報 74:343-348.
2)徐ら(2003)日畜会報 74:355-361.