平均産次を上げるための牛群産次構成

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要約

牛群の平均産次を高めるための、具体的な産次別頭数割合をシミュレーションにより示す。平均産次2.7産(H15牛群検定参加牛)から3.2産に上げるには、雌60頭の牛群で5産の個体を1.2頭増やす。これにより、育成牛を3頭減らすことが可能である。

酪農経営の効率化において、平均産次を高めることは重要である。しかし、具体的に何産の個体を何頭残せば平均産次を高められるのか、目標となる数値がない。そこで、シミュレーションにより牛群を発生させ、平均産次の異なる牛群の産次構成を明らかにする。

シミュレーションにより、平成11年度の牛群検定参加牛の産次構成を基準に、左側切断の正規分布を仮定し、個体に供用産次数を与えることで、世代をオーバーラップさせた牛群を作成した。育成牛を含む雌60頭の牛群で、2歳以上の個体が年1回分娩、生まれる子供の半分を雌とし、平均産次2.9産、3.2産、3.5産とした。
牛群平均産次は3産以降の個体数を少しずつ増やし、初産および2産の個体を減らすことで増加する(表)。
平均的な牛群規模である60頭を想定した場合、平成15年度の牛群検定参加牛の平均産次2.7産から、0.5産増やし3.2産とするためには、最大でも5産の個体を1.2頭増やせばよい。
育成牛は、平均2.9産の群で0.8頭、平均3.2産の群で3.0頭、平均3.5産の群で5.0頭減少する。年あたりでは、それぞれ0.4、1.5、2.5頭減少する。

表育成牛を含む雌60 頭の牛群における産次別頭数