泌乳牛へのペパーミント給与は消化率およびエネルギー分配を変化させる
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要約
乳量30kg程度の泌乳牛への飼料乾物当たり5%のペパーミント給与は、飼料消化率を低下させるが、乳生産には影響を及ぼさない。また、メタン産生を低下させ、糞エネルギー量と熱生産量を増加させる。
- キーワード:乳用牛、飼料利用、ペパーミント、消化率、乳生産、エネルギー代謝、メタン
- 担当:畜産草地研・家畜生産管理部・乳牛飼養研究室
- 連絡先:電話0287-37-7806、電子メールkenhoso@affrc.go.jp
- 区分:畜産草地
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
ハーブを乳牛に給与することによってハーブ牛乳の生産が行われているが、抗菌性などの機能性を持つハーブの給与が、泌乳牛の生産性に及ぼす影響は明らかではない。
そこで、乳牛への乾物当たり5%のペパーミント給与が、飼料消化率、エネルギー代謝、メタン産生、乳生産に及ぼす影響について検討する。
成果の内容・特徴
- 泌乳牛8頭を供試し、基礎飼料のみを給与する区と,基礎飼料に加えて給与量の5%のペパーミントを給与する区にそれぞれ4頭を配置して試験を行った。
- 泌乳牛への5%のペパーミント給与は、粗脂肪を除くすべての飼料成分の消化率を低下させる(表1)。
- ペパーミント給与によって、総エネルギーおよび代謝エネルギー摂取量は変わらないが、総エネルギー摂取量に占める糞エネルギー量および熱産生量の割合が増加し、メタンエネルギー量の割合が低下する(表2)。
- ペパーミント給与は、乾物摂取量当たりおよび可消化有機物摂取量当たりのメタン産生を抑制する(表3)。
- ペパーミント給与による乳量、乳成分の変化は認められない(表4)。また、代謝エネルギーから牛乳のエネルギーに変換される効率は変わらない(表2)。
成果の活用面・留意点
- 飼料の消化、エネルギー代謝、乳生産に及ぼす影響を考慮した、ハーブ牛乳生産のためのペパーミント給与量の参考となる。
- 本結果は、乳量30kg程度の泌乳牛を用い、試験期間が馴致期14日、本試験期8日、計22日の試験で得られたものである。
具体的データ




その他
- 研究課題名:ハーブ類給与が乳牛の第一胃内性状・体内代謝に及ぼす影響の解明
- 予算区分:21世紀6系
- 研究期間:2001~2002年度
- 研究担当者:細田謙次、西田武弘、朴雄烈、額爾敦巴雅爾、塩谷 繁