ライブカメラを用いた牛舎監視システム
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要約
牛舎に設置したライブカメラを用いて、牛舎内を一定時間間隔でパノラマ撮影・記録し画像解析するプログラムで、フリーストール内の牛の行動を高い精度で判定し、インターネット環境を用いて牛舎外からも牛群をモニタリングできる。
- キーワード:ライブカメラ、画像解析、乳用牛、フリーストール、給飼、農業機械
- 担当:畜産草地研・家畜生産管理部・調製工学研究室
- 連絡先:電話0287-37-7803、電子メールkida@affrc.go.jp
- 区分:畜産草地、共通基盤・作業技術
- 分類:技術・参考
背景・ねらい
乳牛の飼養管理において牛群の行動を監視することは極めて重要である。しかし、人による行動観察等の手法では観察とデータの解析に手間を要する。また、定点カメラとタイムラップスビデオによる記録観察では撮影範囲が狭く、画像の解析に手間を要する等の問題がある。
そこで、ライブカメラを用いて牛舎内を一定時間間隔でパノラマ撮影・記録し画像解析することで、牛群行動を省力的に高精度で解析可能なシステムを開発する。
成果の内容・特徴
- ライブカメラ制御システム:牛舎内に設置したライブカメラとライブカメラサーバ、制御PCからなる(図1)。ライブカメラの撮影アングル・倍率等を設定し制御することで、1台のライブカメラでパノラマ撮影・記録するプログラムである。画像データは日付・時刻情報を付記したインデックス付ファイルで記録する。
- 画像判定プログラム:
収集した画像をもとに、画像処理判定するプログラムである。牛がいないときの画像(元画像)と撮影した画像(判定画像)を比較し、テンプレートマッチング手法を用いて解析する(図2)。画像判定は短時間で解析可能で、一般的な行動観察と同等の時間間隔で利用できる。
- 飼槽の利用状況の監視:フリーストール牛舎の牛群の個別飼槽ドアフィーダ部をシステムにより、家畜の行動観察において一般的な時間間隔である10分間隔で撮影・画像判定すると、飼槽の利用状況を93%(5日間の平均)の成功率で判定できる(図2、図3)。判定結果はインターネット接続環境で見ることができる。夜間も室内照明(70ルクス程度)で利用可能である。
成果の活用面・留意点
- 牛舎内の牛群行動を監視する手法として利用できる。プログラム(Visual
Basic 6で作成)は配布可能である。
- 飼槽の利用状況のモニタリングは畜産草地研究所のフリーストール牛舎の個別飼槽
(ドアフィーダ)牛群を対象とした事例である。
- 飼槽前を給飼機や作業者が横切っている場合や、朝・夕日が差し込む場合、画像判定ミスが生じる場合がある。
具体的データ



その他
- 研究課題名:牛群の採食行動モニタリングを活用したTMR給餌機制御技術の開発
- 課題ID:12-03-01-01-13-05
- 予算区分:交付金
- 研究期間:2004∼2005年度
- 研究担当者:喜田環樹、松尾守展、重田一人