牛肉のプロテオーム解析データベース

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要約

牛肉のプロテオーム解析データベースを構築し、インターネットで公開した。ウシ胸最長筋の全筋蛋白質を2次元電気泳動した泳動図上より、各スポットの蛋白質情報をみることができる。

  • キーワード:プロテオーム、データベース、牛肉、牛、筋蛋白質、胸最長筋、畜産物・品質
  • 担当:畜産草地研・食肉プロテオーム研究チーム
  • 連絡先:電話029-838-8686、電子メールwww-nilgs@naro.affrc.go.jp
  • 区分:畜産草地
  • 分類:研究・普及

背景・ねらい

脂肪含量が少なく、健康的なウシ赤肉に対する消費者ニーズが高まっている。 この赤肉の品質を左右する要因は、筋肉を構成している筋蛋白質の違いであり、品質の異なる牛肉における違いを検討することで、高品質な赤肉を生産する方策が展開できると考えられる。しかしながら、筋蛋白質は多種多様であるため、従来の分析では分離可能な蛋白質が限られていた。本研究では2次元電気泳動を用いて、筋蛋白質の分離・同定を行い、得られた蛋白質情報を基に牛肉のプロテオーム解析データベースの構築を行う。

成果の内容・特徴

  • データベースには、蛋白質の名前、修飾、pI、分子量、Accession Number、アイソフォームタイプ、質量分析データ(シークエンスカバレッジ、検出フラグメントのピークと強度)の情報を掲載している。
  • と畜直後の胸最長筋で主要な23個のスポットについて同定し、泳動図上からそれらのスポットに関する情報を見ることができるようになっている。本データベースでは順次蛋白質データを追加していく。
  • 今後、他の筋肉部位、品種等、様々な条件下で行った2次元電気泳動像を追加していく。その際、現在掲載している胸最長筋の泳動図上のスポットと、新規の泳動図上のスポットが同一の蛋白質である場合、これらを統合できるようなシステムとしている。

成果の活用面・留意点

  • 2次元電気泳動を行い、泳動図上の蛋白質の比較を行う際に活用する。本データベースを利用することにより、同定済みの蛋白質スポットと、未知試料の蛋白質スポットとを比較し、発現パターンに差のある蛋白質の探索などを行うことができる。

具体的データ

牛肉のプロテオーム解析データベース

その他

  • 研究課題名:乳肉の美味しさ等の品質に影響を与える因子の解明と新たな評価手法の開発
  • 課題ID:311-h
  • 予算区分:エサプロ
  • 研究期間:2006~2008年度
  • 研究担当者:大江美香、安藤幹男、室谷進、中島郁世、柴田昌宏、千国幸一
  • 発表論文等:URL:http://nilgs.naro.affrc.go.jp/meat/pub/
                      Oe et al. Meat Scienc 75 (2007) 558-563.