稲発酵粗飼料用イネのビタミンE含量は葉でもっとも高い
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要約
黄熟期に収穫、調製した稲発酵粗飼料用イネ中のビタミンEの含量を葉、茎、穂で比較すると、葉でもっとも高い。その含量は、品種や成熟ステージによって変動する。
- キーワード:飼料イネ、ビタミンE(α-トコフェロール)、ホールクロップサイレージ
- 担当:中央農研・関東飼料イネ研究チーム
- 連絡先:電話029-838-8817、電子メールtakayo@affrc.go.jp
- 区分:畜産草地
- 分類:研究・参考
背景・ねらい
稲発酵粗飼料を給与すると、牛肉脂肪の酸化抑制や肉色保持に有効であるとされている。稲発酵粗飼料に含まれているビタミンEの抗酸化性が要因と考えられており、高ビタミンE稲発酵粗飼料の調製が望まれている。ビタミンE含量の高い稲発酵粗飼料を調製するためには、ビタミンE含量の変動要因の解明が必要である。
そこで、稲発酵粗飼料用イネのどの部位のビタミンE含量が高いのかを明らかにする。
成果の内容・特徴
- 稲発酵粗飼料用イネ中のビタミンEの含量は葉でもっとも高い(図1)。
- 稲発酵粗飼料用イネにおける葉の重量割合は品種によって大きく異なり(表1)、葉の割合が高い品種を用いることで、ビタミンEを多く含む稲発酵粗飼料を調製できる可能性がある。
- ビタミンEの含量は、イネの品種によって異なる(図1,2)。
- ビタミンEの量は、イネの成熟ステージによって変動する(図2)が、いずれの生育ステージにおいても、茎や穂よりも葉で含量が高い。
成果の活用面・留意点
- ビタミンE含量の高い稲発酵粗飼料用イネの育種と検索に活用できる。
- 葉は葉身、茎は葉鞘+稈を現している。
- ビタミンEの含量は、施肥法などの栽培法、栽培地や気象によっても変動する。
- 稲発酵粗飼料中のビタミンE量は、原料となるイネのビタミンE量が一定でも、サイレージ調製法および貯蔵法によって変動する。
具体的データ



その他
- 研究課題名:関東地域における飼料イネの資源循環型生産・利用システムの確立
- 課題ID:112-b.3
- 予算区分:関東飼料イネ
- 研究期間:2006~2008年度
- 研究担当者:三枝貴代、石川哲也、草佳那子、石田元彦