ガレガ播種後の降雨条件によるガレガ個体密度の低下とその対策

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要約

表層播種の草地造成では播種後に降雨のない期間が5~7日以上続くとガレガの出芽率が低下する。そのような気象条件に備えた対策として播種時の覆土(覆土深5mmを目途)が有効である。

  • キーワード:ガレガ、草地造成、出芽、降雨条件、覆土
  • 担当:北海道農研・自給飼料酪農研究チーム
  • 代表連絡先:電話011-857-9260、電子メールseika-narch@naro.affrc.go.jp
  • 区分:畜産草地
  • 分類:研究・参考

背景・ねらい

北海道の草地面積は約56万haで酪農の基盤を支えている。しかし、草地のマメ科率は低く、飼料の高品質化を図るにはマメ科率の向上が必要である。ガレガは北海道の基幹イネ科牧草であるチモシーとの混播適正に優れ、また永続性にも優れた新規のマメ科牧草であり、その普及が期待されている。しかしながら、チモシー・ガレガ混播草地の造成当初にガレガ個体密度が十分でない事例も多く、安定した造成法のための知見と対策が求められている。そこで、草地造成において播種後の降雨条件とガレガ個体密度との関係を明らかにするとともに出芽を改善するための覆土の効果を明らかにする。

成果の内容・特徴

  • 播種床表層に播種を行う草地造成においてガレガ個体密度に大きな影響を及ぼすのは、播種後の降雨量の多少よりも播種後早期に降雨があるか否かである(表1)。
  • ガレガは播種後に5~7日降雨のない期間が続くとその後に降水が十分にあっても出芽率が低下する。その原因はガレガではチモシーと異なり発芽後に種子根が播種床に貫入できずに枯死するためである(表2)。
  • 播種後に降雨のない期間が続く気象条件に備えた対策として、播種の際に覆土を行うことが有効である。チモシーに対する覆土の影響も考慮すると覆土深(鎮圧後の覆土深)として5mmを目途にすることが望ましい(表3)。

成果の活用面・留意点

  • チモシー・ガレガ混播草地造成の参考になる。
  • 北海道中央部での褐色火山性土による試験結果である。

具体的データ

表1 チモシー・ガレガ混播草地の造成における越冬前のガレガ個体密度と播種後の降雨条件

表2 播種後の無給水放置期間の長さが出芽率に及ぼす影響

表3 播種後に無降雨条件が継続した場合の覆土深の影響

その他

  • 研究課題名:自給飼料の高度利用による高泌乳牛の精密飼養管理技術と泌乳持続性向上技術の開発
  • 中課題整理番号:212g
  • 予算区分:基盤
  • 研究期間:2006~2009年度
  • 研究担当者:高橋俊、八木隆徳