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全国のため池の諸元、被災歴等の情報をデータベース化し有効利用するためのシステムを構築した。このシステムにより日常の管理、地震時の対応、危険なため池の選定が可能となり、今後のため池防災に貢献していくことが期待される。
日本は台風や地震などの自然災害によって、ため池(農業用の小規模アースダム)に多くの被害が生じている。1995年の阪神・淡路大震災では多くの人命、公共施設が被害を受けた。ため池においても、1,200以上の被害が生じ、ため池の防災のためのシステムの必要性が出てきた。
このため、全国に10万箇所あるため池に関する情報をデータベース化することが防災計画上重要であり農業工学研究所、農林水産省、(財)日本農業土木総合研究所により「ため池防災データベース」システムの構築を行った。
本研究により防災のための情報を直ちに得られるシステムを開発した。本データベースは図-1に示す内容で、(1)ため池に関する構造情報(位置、堤高、含水量等)、(2)画像情報(地形図、写真、図面)、(3)過去の災害データ情報、(4)国土数値情報(地質、標高、公共施設)、(5)活断層情報、アメダス情報が入力されている。図-2は出力例で、図-3は標準機器構成である。対象ため池は概ね10万箇所で、毎年データの更新がされるシステムになっている。
活用面としては(1)ため池の改修、維持、管理に関する資料の提供、(2)地震時の緊急点検を要するため池の決定、適切な応急対策及び2次災害の防止、(3)災害危険度の判定資料から改修ため他の選定が出来る。
ため池は全国に10万箇所以上あり、使われなくなるため池も年々増加している。このようなため池は防災上、危険であり、このデータベースシステムを活用する事により、ため池の現状を把握する事が可能となる。このため、データの更新が重要な要素となる。