ダムの基礎地盤およびその周辺の地形・地質三次元解析システム

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要約

本解析システムにより既存の地形・地質情報(国土数値情報)から概略のダムサイトの選定が出来、さらにダムの地形・地質調査データから最適化手法等の解析により、ダムの地形・地質の三次元構造解析の効率化と高精度化が可能になる。

  • 担当:農業工学研究所・造構部・上席研究官、構造研究室
  • 代表連絡先:0298-38-7681
  • 部会名:農業工学
  • 専門:農業施設
  • 対象:施工技術
  • 分類:普及・行政

背景

ダム建設のための地形・地質調査は通常その計画段階から実施される。地形・地質の調査業務は、年度毎に新たなボーリング調査などから得られる地質情報と既存の地質情報をあわせて解析が行われるため、調査が進む毎に対象とする地質情報が増加し、解析作業が膨大になっていく。
このような背景から本研究では、ダムの地形・地質調査データの解析作業の効率化と高精度化を目的に、地形・地質構造の三次元解析のための「ダムの基礎地盤及びその周辺の地形・地質三次元解析システム」を開発した。

成果の内容・特徴

  • 既存の地形・地質情報(国土数値情報)から概略のダムサイトの選定、貯水量計算が出来る。
  • ダム三次元地形・地質調査結果から、最適化手法により三次元モデルの作成・更新技術、三次元透過表示技術およびデータの効率的格納方式の研究により、従来パーソナルコンピューターでは困難であった三次元地質構造の解析・表示が可能になった。
  • 開発したシステムについて実際のダムのデータに適用した結果、実用技術として有効であることが実証できた。

成果の活用面・留意点

  • 標準的なパーソナルコンピューター(CPU 400MHz、ハードデイスク4Gバイト)でシステムの運用が可能である。
  • 調査の初期のようにデータが少ない時点では既存の地質情報を取り入れた地質構造の解析を行う必要がある。

具体的データ

図1 三次元地形・地質解析システムの流れ
図2 ダム地質の三次元解析結果の例

その他

  • 研究課題名:ダム基礎地盤の変形および透水性の評価法(H9~12)
  • 予算区分:経常(交流共同研究)・依頼
  • 研究期間:平成10年度(平成9年~10年)
  • 研究担当者:谷茂、安中正実、民間研究組合
  • 発表論文等:1.情報地質学会で平成11年度に発表予定