傾斜地カンキツ園における地下水流動予測と防災対策箇所の効果的推定法

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要約

カンキツ園における地下水流動を、傾斜地の複雑地形に対応して、高精度に予測できる手法を開発した。これにより、地下水排除工の最適施工箇所の推定が可能となり、防災機能を付加した高機能園内作業道の設置を行える。

  • 担当:四国農業試験場・地域基盤研究部・地域防災研究室
  • 代表連絡先:0877-62-0800
  • 部会名:傾斜地農業、農業総合農業
  • 専門:農村整備
  • 対象:農業工学
  • 分類:指導

背景

傾斜地域では、降雨による土石流出が著しく、災害の発生が懸念される。園地の保全や流域の国土保全機能の維持・向上を図る上で、傾斜地域、特に園地における作業道周辺斜面からの表層土石流出を的確に予測し、合理的な対策を理案することが重要である。そこで、作業道周辺斜面における地下水流動を予測を予測し、園地における土石流出軽減技術を検討するための防災対策指標の効果的決定手法を開発する。

成果の内容・特徴

  • 傾斜地カンキツ園地において光波距離計等による数値地形データを用いて高精度三次元メッシュを自動発生できる(図1)。発生した三次元メッシュ(図2)は平面寸法1m、深度方向最小寸法0.5mであり、傾斜地の複雑地形に対応した高精度データを扱うことが可能となる。
  • 傾斜地の複雑地形に対応して豪雨時の地下水流動(図3)を予測するプログラムに加えて境界条件及び透水係数データを使用する。パソコン(CPU AMD-K6-2プロセッサ 500MHz)により、約30000点のデータを約12分で処理でき、効率的な予測が可能となる。
  • 地下水流動の予測結果をもとにして、地下水の上昇流の発生箇所から地下水排除工を重点的に施工する箇所を推定できる(図4)。対策指標の経験的な地として0.8を用いる。

成果の活用面・留意点

  • 降雨時のみ地下水が出現し、平常時には地下水の見られない傾斜地カンキツ園の作業道周辺斜面の防災対策に用いることができる。
  • 地盤が飽和状態に対する降雨時の地下水流動を予測しており、全層風化して均質とみなした地盤における地下水流動に起因する土石流亡の相対的危険度を評価できる。

具体的データ

図1 精密地形データとメッシュ発生位置
図2 高精度三次元メッシュ
図3 地表面直下における地下水流速ベクトル
図4 地下水排除工設置位置の推定

その他

  • 研究課題名:高品質化のための土壌管理技術を導入した中山間カンキツ園の作業システムの確立-傾斜地園における表層土石流の防止技術の開発-
  • 予算区分:総合研究(地域総合)
  • 研究期間:平成12年度(平成11~14年)
  • 研究担当者:川本治、島崎昌彦、吉迫 宏、長谷川美典、吉川弘恭、中尾誠司
  • 発表論文等:川本治、島崎昌彦、傾斜地柑橘園における地下水流動の効果的予測法と防災対策への適用、第55回農士学会中国四国支部講演会講要、147-149、2000.