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農道整備による都市からのアクセス改善は農村のレクリエーション空間としての利用を促進する。ゾーン型トラベルコスト法を使って農道によるレクリエーション促進効果を算定できるが、個々の事業への適合性を簡便に判定するには、一般化費用と圏域人口の関係を示すアクセス図が有効である。
農道整備による都市からのアクセス改善は、農村のレクリエーション空間としての利用を促進する。農村空間のレクリエーション機能はトラベルコスト法により 評価されているが、アンケート調査等の多くの作業が必要である。ここでは、農道によるレクリエーションの促進効果を評価するにあたって、個々の事業の適合 性を事前に判定するための手法を提案する。
農道整備の持つレクリエーション促進効果は、ゾーン型トラベルコスト法を使った次の手法で算定できる。その場合、評価対象とする農道のアクセス改善の大きさ・範囲を示すアクセス図を作成することにより、当該農道によるレクリエーション促進効果の程度が事前に判定できる。事例地区として、茨城県フラワーパークと広域農道フルーツラインを選定した。フラワーパークは、茨城県、千葉県等から年間20万人の来園者があり、フルーツラインはフラワーパークへのアクセス道路にもなっている(図1、表1)。
アンケート調査によるデータ分析の結果、年間来園者202千人の消費者余剰は 139,343千円/年、フルーツラインがないと仮定した場合の消費者余剰は121,378千円/年であり、その差17,965 千円/年、12.9%がフルーツラインによるレクリエーション促進効果である。
トラベルコスト法による効果算定を行う場合に、図2に示すアクセス図による事前の簡易判定は詳細なアンケート調査に先立つ、適合性の判定手法として利用できる。