農村振興に活用できる水辺文化資源情報データベースシステム
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要約
水辺の有形文化資源データ、伝承文化資源データ、伝承文化機能データの3つのデータ構造からなり、農村文化資源を農村振興に有効に活用できるデータベースシステムを開発した。このシステムにより、利用者が伝承文化を中心に各種資源情報の連鎖構造を理解しながら、地域の水辺文化情報を検索できる。
- 担当:農業工学研究所・農村計画部・集落計画研究室
- 代表連絡先:029-838-7669

- 区分:技術及び行政
- 分類:参考
背景
農村の総合的な振興にかかる資源として農村文化が注目されており、農村総合整備事業においても地域伝統文化基盤整備がメニューに挙げられている。それら事業の要請に応え、農村文化を農村振興に活用するためには、農村文化事象の収集、実態の解明、活用しやすい形での情報整理・提供手法の確立が求められる。 ここでは、農業水利施設を含む水田・河川等の農村水辺空間における農村文化資源の様態を整理し、保全管理・地域活性化等、具体的な課題の解決に有効な文化資源情報データベースシステムを開発した。
成果の内容・特徴
- 農村の水辺文化の実情把握より、
1) 水辺の有形文化資源の基礎データ(農業水利施設の種別や役割等)
2) 水辺の有形文化資源に連鎖する伝承文化、関係する物・人・事象資源のデータ
3) 伝承文化資源が農村振興に果たす役割である伝承文化機能データ(自然認知、教育、社会維持等)からなるデータベースシステムを構築した。(図1)
- 市町村別、対象資源データ別に、IDがセットされ、名称、役割種や機能種、年代等のカテゴリーと内容紹介文章、出典情報等が整理される。情報管理と各データの参照ができる上、カテゴリー検索だけでなく、連鎖するデータの検索も可能。
- 利用者は、伝承文化を中心に各種情報の連鎖構造を理解しながら、自由に地域の水辺文化情報を検索できるため、多様な利用方法により、様々な地域振興施策推進を支援できる。(図2-1、2-2)
成果の活用面・留意点
- 現在はWindows NT系を対象に開発し、データベースエンジンは、Borland社データベースエンジンを採用した。
- 水辺文化資源を活用した地域振興を計画する地域住民、自治体担当者、農業改良普及センター、土地改良区等が地域内に有する資源データの収集・整理に活用できる。
- 最終的には、インターネットへの公開を検討し、地域住民、関係者によるWebコラボーレーションシステムとして機能させる予定である。
具体的データ




図1 データベース入力・参照・機能項目・連鎖データ表示


その他
- 研究課題名:農村水辺空間における文化資源のデータベース化手法の開発
- 中期計画大課題名:農業・農村の教育的機能及び景観特性の解明と文化資源情報のデータベース活用手法の開発
- 予算区分:交付金研究、新領域開発研究
- 研究期間:2000~2002年度
- 研究担当者:山本徳司・山下裕作
- 発表論文等:山下裕作・山本徳司、農業水利施設に関連する農村伝承文化の実相と機能、農土誌、71(3)、2003.