ため池リアルタイム防災データベース

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要約

「データベース」はインターネットを通して、リアルタイム気象情報を取得して、集中豪雨時や地震時のため池被災の可能性を広域的かつリアルタイムに予測することができる。

  • 担当:農業工学研究所・造構部・上席研究官
  • 代表連絡先:029-838-7681 Mail Address
  • 区分:技術及び行政
  • 分類:普及成果情報

背景

近年、集中豪雨の発生や地震により中山間地域の老朽ため池、斜面が決壊・崩壊する可能性が高まるとともに,下流地域への2次災害の増加が懸念されている。このため,アメダス情報等のリアルタイム気象情報に基づき、集中豪雨時や地震時のため池被災の可能性を広域的かつリアルタイムに予測することが必要とされている。平成11年から全国の45道府県ですでに稼動している「ため池防災データベース」があるが、このデータベースにリアルタイム気象情報を結合し、ため池の広域災害を予測するために開発したものが、「ため池リアルタイム防災データベース」である。

成果の内容・特徴

  • 連続雨量と時間最大雨量の情報からため池の危険度を判定できる(図1)。
  • 既に普及している「ため池防災データベース」のデータ、システムがそのまま活用できる。
  • 常時接続のインターネット環境が整っていれば、いつでも、どこでもリアルタイム気象情報が利用でき、集中豪雨時や地震時のため池被災の可能性を広域的かつリアルタイムに判断することができる。
  • 農地斜面等の崩壊予測のために、リアルタイム気象情報が利用できる。
  • 防災情報の自動メール発信機能により、パソコン、携帯電話等に異常気象時の情報が自動的に配信される。

成果の活用面・留意点

常時接続のインターネット環境が整えば、既に45府県、農政局に普及している「ため池防災データベース」のデータ、システムがそのまま活用できるため、今後、さらに普及が期待できる。

具体的データ

図1 「ため池リアルタイム防災データベース」によるため池危険度の表示例)
図2 パソコン、携帯電話等への防災情報の発信画面の例(大雨警報基準を超えた場合)

その他

  • 研究課題名:ため池のハザードマップ作成手法の開発
  • 関連する中期計画大課題名:災害予測技術と地域防災データベースの開発
  • 予算区分:交付金プロ(集中豪雨)
  • 研究期間:2001~2003年度
  • 研究担当者:谷 茂、田頭 秀和(北海道開発土木研究所)
  • 発表論文等:1) 谷 茂、ため池災害の現状と予測技術、農業土木学会誌、70(5)、33-36、2002.
                      2) 森脇武夫・寺田秀樹・谷 茂・天野行、豪雨時における斜面崩壊の危険度予測(5.豪雨時における斜面崩壊危険度予測(その1))、土と基礎、51(12)、92-97、2003.