大豆新品種「トモユタカ」
要約
- 担当:東北農業試験場・作物開発部・大豆育種研究室
- 部会名:総合農業
- 分科会名:畑作物
- 分類:(1)
成果の内容
- 技術・情報の内容及び特徴
- 大豆新品種「トモユタカ」は、早熟であることにより麦・大豆2年3作体系で麦の前作になりうる。
- 「ライデン」や「タンレイ」並の収量で、品質も優れる。
- ダイズモザイクウイルス及びシストセンチュウに抵抗性の白目中粒品種である。
- 豆腐の加工適性が「ライデン」や「シロセンナリ」より優れる。
- 裂皮粒の発生が少ない。
表1.トモユタカの特性概要
- 技術・情報の適用効果
- 宮城県では麦・大豆2年3作体系を推進するために早熟な大豆品種の育成が望まれていたが、「トモユタカ」は「タンレイ」より10日、「コケシジロ」より6日早い早熟品種であることから、麦の播種作業と競合しないことにより輪作がやりやすい。
- 山形県では中生の早の「ライデン」を麦・大豆2年3作体系に用いていたが、「ライデン」は倒伏しやすいことから機械収穫に支障があり、褐斑粒や裂皮粒の発生も多かったが、「トモユタカ」はこれらの点で「ライデン」に優ることから麦・大豆2年3作体系が推進しやすい。
- 適用の範囲
岩手県南部より栃木県までの麦・大豆2年3作体系を実施している地帯。
- 普及指導上の留意点
- 早熟であることから、生育量を確保するために密植して増収を図ると良い。
- ダイズモザイクウイルスの多発地ではアブラムシの防除に努める。
具体的データ

その他の特記事項
- 研究課題名:大豆優良品種の育成(寒冷地向新品種の育成)
- 予算区分:経常
- 研究期間:昭和51年~平成1年
- 発表論文等:第33回東北農業試験研究発表会(1990.7)