イネ葉プロトプラストのいもち病抵抗性反応

※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。

要約

  • 担当:東北農業試験場・水田利用部・水田病害研究室
  • 部会名:総合農業
  • 分科会名:生産環境
  • 分類:(3)

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    11品種(7真性抵抗性遺伝子型)と11菌株(7レース)を用いて、細胞レベルの親和性反応 及び非親和性反応を観察した。
      1. 図1の方法で作出したイネ葉プロトプラストに 酵母エキス液体培地で6ヶ月間静置培養したイネいもち病菌培養
         濾液を室温で混合すると、細胞膜が破裂するプロトプラストが認められる。
      2. 破裂プロトプラストの出現比率は品種とレースの組合せで異なり、非親和性の組合せ ではいずれも破裂プロトプ
         ラスト出現比率が対照区のそれより高く、親和性の組合せ ではほぼ同等であった。この傾向は処理90分後まで
         例外なく認められる(図2)。
      3. この反応は品種・菌株の別なく同様に認められ、個体レベルでの親和性の有無と一致する。
  • 技術・情報の適用効果
      1. イネのいもち病に対するレース特異的反応を細胞レベルで観察できるので、試料が 少なくても検定できる利点
         がある。
      2. いもち病抵抗性発現の細胞レベルでの解明に利用できる。
  • 適用の範囲
  • 普及指導上の留意点
    これは葉身・葉鞘由来のプロトプラストでみられる特異的な反応であり、カルス由来の プロトプラストでは同様の反応は認められない。

具体的データ

図1 イネ葉身・葉鞘からのプロトプラスト分離法

図2 イネ葉身・葉鞘細胞由来プロトプラストのいもち病菌培養濾液に対する反応

その他

  • 研究課題名:いもち病抵抗性の生理・生化学的機作の解明
  • 予算区分 :バイテク育種
  • 研究期間 :昭和61年~平成2年
  • 発表論文等:日植病報 56:361(1990)