平ベルト苗送り式全自動野菜移植機
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要約
- 担当:東北農業試験場・生産工学部・生産機械研究室
- 部会名:総合農業
- 分科会名:作業技術
- 分類:(3)
成果の内容・特徴
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技術・情報の内容及び特徴
簡易育苗ロボットシステムにより大量生産した野菜苗を機械定植するため、移植機の
苗供給方式及び苗植付け方式の検討をした結果、次のことが判明した。苗供給方式
では、(1)移植機に育苗箱ごと装着して箱の後方から苗ブロックを1列分押し出す方法
及び(2)簡易苗取り器で苗箱の苗を抜き出し、移植機の苗供給装置に積載する方法が
有効である。苗植付け方式では、(1)苗ブロック把持式はエダマメ、スィートコーン
等の直立タイプの苗に適し、(2)カップ開孔式はブロッコリー、キャベツ等の展開
タイプの苗に適している。
以上の観点から、野菜の育苗-移植作業システムのモデルとして、市販の半自動移植機
に試作自動苗供給装置を搭載した全自動移植機を開発した。
1. 開発した野菜用全自動移植機の全体を図1に、仕様諸元を表1に示す。施用する苗は、
ブロッコリー、キャベツ、
レタス、セルリ等の葉茎菜類である。
2. ポット苗を苗取り器(図2)により苗箱の後方から
苗ブロックごと抜き出し、移植機の苗供給ベルトに積載する
(図3)。
3. 苗横送り時の苗絡み防止のため、横送り装置の上方に平行して丸棒を取り付けてある(図3)。
4. 苗の植付けはカップ開孔式強制植付け方式である。植付けの作業能率は2,160本/hr
と推定され、植付け精度
は良好である(表2)。
- 技術・情報の適用効果
従来困難であった野菜、特に葉茎菜苗の移植作業の完全自動化が可能になり
育苗-移植作業の一貫自動化システムの確立が達成される。
- 適用の範囲
野菜栽培地帯
- 普及指導上の留意点
実用機として市販するには、メカニズムの改良及び作業性能の向上とともに、
育苗システム(栽培ソフト、苗箱・培土等の資材)の標準化が必要である。
具体的データ





その他
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研究課題名:転換畑野菜作の機械化技術の開発
- 予算区分 :水田畑作
- 研究期間 :昭和61年~平成2年
- 発表論文等:平成2年度農機学会講演