粉が黄色味を帯びる系統「小麦中間母本農6号」
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要約
- 担当:東北農業試験場
- 部会名:畑作物
- 分科会名:冬作物
- 分類:(3)
成果の内容・特徴
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技術・情報の内容及び特徴
本系統は赤さび病抵抗性遺伝子を持つカモジグサ染色体が小麦染色体1対と置換した
系統であり、赤さび病抵抗性遺伝子と連鎖した遺伝子により、粉色が黄色味を帯びる
特性を有し、国産小麦の新しい用途の開発のための品種育成に利用可能である。
1.胚乳には、Lutein(カロチノイドの一種)が栽培品種の2倍以上含まれており、
粉の色が黄色味を帯びる。
2.日本の主要な赤さび病菌レースの全てに対して抵抗性であり、圃場でも安定して
抵抗性である。
3.稈長、穂長はやや長いが、出穂期はやや早で、その他の特性も栽培品種なみに
改良されている。
4.耐寒性、耐倒伏性は中で、うどんこ病は強い。製粉性は優れ、蛋白含量は高い。
ふ色は黄で、粒色は赤褐であり、原麦粒の品質はやや良いが、千粒重および
l重が小さい。
- 技術・情報の適用効果
この系統を母本として用いることにより、粉色が黄色味を帯びた品種が育成され、
国産小麦の新しい用途の開発が図られる。
- 適用の範囲
小麦の育種を行っている国公立農業試験場
- 普及指導上の留意点
本系統の特性である粉の色を黄色くする遺伝子及び赤さび病抵抗性遺伝子は導入
されたカモジグサ染色体上にあるので、この系統を交配した時の初期世代では、
粉色が黄色味を帯びた個体の直接の選抜のほか、赤さび病抵抗性選抜による
間接選抜固定を図ることができる。また、穂発芽性はやや易であり、交配相手には
穂発芽難の品種を選ぶこと。
具体的データ




その他
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研究課題名:小麦の赤さび病抵抗性育種
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :昭和42年~平成2年
- 発表論文等:小麦中間母本農6号の育成、東北農試研究報告 (投稿予定)