電話回線のネットワーク上で作動する低価格の温度測定装置

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要約

  • 担当:東北農業試験場・地域基盤研究部・気象環境制御研究室
  • 部会名:生産環境
  • 分科会名:
  • 分類:(1)

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    1.インテリジェントモデム(IKA1200,岩通精密製)およびこれに内臓のサーミスタ 温度センサー接続用基板、動作制御用のプログラムで構成される[愛称:伝環気、 デンワキ] (図1)。
    2.電話回線に接続するだけで温度を定期的に測定し、記録データを指定時刻に ホストコンピュータに転送することができる(図2、図3)。
    3.測定値があらかじめ設定した上・下限を超えたときに、警報をホストコンピュータ に送信することができる。
    4.ホストコンピュータからの指示で、温度の測定、データの送出、プログラムの 保守・修正等を行うこともできる。
    5.低価格の温度測定ネットワークを構築することができる。1台10万円以下で製品化 の予定。
  • 技術・情報の適用効果
    次のような応用例が考えられる。
    1.作物の生育予測と栽培管理
    対象圃場の気象から、発育速度や積算気温を日々計算し、ある値に達したとき に施肥や薬散等の管理を指示する。
    2.気象災害警報
    アラーム機能を利用して、異常低温や霜警報などを発する。
    3.温室・畜舎等の管理
    遠隔地の農業施設の気温をモニターしたり、高温・低温等の異常警報を発する。
  • 適用の範囲
    温度の推定が難しく、実測値や警報等の必要な地点・場面。
  • 普及指導上の留意点
    本装置の送出信号は周波数なので、ホスト側で温度に換算する必要がある(図2)。 0度C-6kΩのサーミスセンサーを使用する。測定精度はJISの等級に準ずる が、高精度の測定を要する場合には、個々の機器を検定し、ホスト側で補正する のが望ましい。ホスト側は一般のターミナルソフトでも受信できるが、専用の ソフトの方が、通信トラブルが少なく、使い勝手もよい(図3)。通常の電話機と 併用してネットワークを構成する場合には、デジタル通信網(例えば、INS64)に 加入するのが望ましい。

具体的データ

図1 伝環気の外観

図2 送出周波数と温度との関係

図3 伝環気の送信フォーマット

その他

  • 研究課題名:圃場気象情報収集システムの開発
  • 予算区分 :経常・場特定(平2)
  • 研究期間 :元年~3年
  • 発表論文等:日本農業気象学会1991年度全国大会(平成3年4月)