イネ品種の稲こうじ病抵抗性差異

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要約

  • 担当:東北農業試験場水田利用部水田病害研究室
  • 部会名:生産環境
  • 分科会名:
  • 分類:(3)

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    稲こうじ病抵抗性の品種間差異を明らかにするため、国内外のイネ品種・ 系統72種に厚膜胞子を接種し、発病程度を比較した。
    1.出穂期が最大42日異なる品種・系統を出穂期の早晩により2~3群に分け、 各群の出穂2~5週間前に接種することにより、発病程度に及ぼす出穂期 の影響を消去することができる(図1)。
    2.発病を全く認めない品種・系統はなかったが、発病が恒常的に少ない品種 ・系統はあった(「裡里367」、「蟾津」、「Pi No.4」など)。これに対し 、鴻系18、「とりで1号」、九系472、「興除1号」及び西海183号などの発病 程度は恒常的に高かった(図2)。
    以上のことから、「裡里367」などの本病少発生は感染回避によるものでは なく、品種や系統が有する抵抗性に基づくものと推察される。
  • 技術・情報の適用効果
    稲こうじ病抵抗性の遺伝子源として利用できる。
  • 適用の範囲 全国
  • 普及指導上の留意点
    当該地の早生品種及び系統については検定していない。

具体的データ

図1 イネ品種・系統の出穂期と稲こうじ病発病程度との関係

図2 圃場における稲こうじ病発病程度の品種間差異

その他

  • 研究課題名:稲こうじ病の発生生態の解明
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成1年~5年
  • 発表論文等: