エンドウヒゲナガアブラムシで伝搬されるダイズわい化ウイルスの新系統

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要約

  • 担当:東北農業試験場・地域基盤研究部・病害生態研究室、害虫発生予察研究室
  • 部会名:生産環境
  • 分科会名:
  • 分類:(3)

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    盛岡市で採集されたシロクローバから、エンドウヒゲナガアブラムシ で伝搬されるダイズわい化ウイルス(SDV)の新系統(CL-1株)が分離さ れた。本系統は、ダイズアブラムシでも伝搬されるほか、ジャガイモ ヒゲナガアブラムシで稀に伝搬されるが、コンドウヒゲナガアブラムシ 及びマメアブラムシでは伝搬されない。本系統はダイズ、インゲン 及びソラマメに感染して脈間黄化症状を現わすほか、シロクローバ 及びエンドウに無病徴感染する。
  • 技術・情報の適用効果
    ダイズわい化病の病原ウイルスであるSDVの媒介虫はジャガイモヒゲナガ アブラムシの1種のみと考えられてきたが、本系統の発見によりエンドウ ヒゲナガアブラムシ及びダイズアブラムシも媒介虫になり得ることが明ら かになった。したがって、本病発生地では媒介アブラムシの種類及び伝染環 に注意を要する。
  • 適用の範囲
    ダイズわい化病の発生地域。
  • 普及指導上の留意点
    ELISA法及び寄主範囲ではジャガイモヒゲナガアブラムシで伝搬されるSDV 系統と本系統の間に差異が認められないため、その判別にはアブラムシ 伝搬試験が不可欠である。また、圃場周辺の畦畔シロクローバ及びダイズ わい化病罹病株からエンドウヒゲナガアブラムシで伝搬されるSDV系統が 分離されるが、本系統の分布及び伝染環については不明である。

具体的データ

表1 実験に供試したウイルス分離株

表2 各分離株の伝搬試験結果

表3 T90-3株とCL-1株の感染性の比較

その他

  • 研究課題名:ダイズわい化病のやませ環境下での発生特性の解明
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成元年~3年
  • 発表論文等:日植病報 57:448(1991)