スィートソルガム茎葉分離・搾汁装置

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要約

  • 担当:東北農業試験場 地域基盤研究部 施設工学研究室
  • 部会名:作業技術
  • 分科会名:
  • 分類:(3)

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    1.スィートソルガムの茎を切断することなく葉を除去して茎を搾汁し、茎の搾汁液および搾汁残渣、葉、穂に分離して回収する茎葉分離・搾汁装置を開発したものである。
    2.茎葉分離・搾汁装置(図1)は、スパイラルブラシとロールブラシおよび方向制御板からなる茎葉分離装置と、軸方向に突起をつけた1段目と、円周方向に突起をつけた2段目の各2本のロールと、平滑な3段目の2本のロールを平行に並べた搾汁装置で構成される。なお、 各装置は単体での作業も可能である(表1、表2)。
    3.スィートソルガムの茎葉分離を行った場合、材料が長く、太いほど、また葉水分が低いほど、脱葉率が高まり、脱葉率は約70%、折損率は2%以下である(図2)。
    4.スィートソルガムの搾汁を行った場合、茎が太いほど、茎水分が高いほど、搾汁率が高まり、搾汁率は約40%(茎水分約75%時)である(図3)。
    5.所要動力は、処理量が250kg/hの時約3kW(茎葉分離装置:約1.2kW、搾汁装置:1.8kW)である(表3)。
    6.研究期間中に得られた収量例に基づき物質収支を試算すると、10a当たり100%アルコール換算で約225リットル、サイレージで約5,600kgが得られる。
  • 技術・情報の適用効果
    1.スィートソルガムの茎の搾汁液はアルコール飲料やパン酵母培地などの高品質食品素材として、搾汁残渣・葉・穂は家畜飼料素材として利用でき、多用途での利用が可能となる。
    2.葉の除去による茎の貯蔵性が増し、茎を一時的に貯蔵することができ、搾汁作業の期間集中を緩和することが可能となる。
    3.茎を細断しなくても高搾汁率で搾汁ができ、搾汁工程を簡略化することができる。
  • 適用の範囲
    スィートソルガム等長大作物栽培地域
  • 普及指導上の留意点
    1.この装置およびシステムは、スィートソルガムを対象に開発したものであるが、今後トウモロコシ、さとうきび等にも用途を拡大できる可能性がある。
    2.屈曲した材料を用いると脱葉率が低下するので、屈曲部で切断する等の処理を施す必要がある。材料投入時は、整列操作を加えて投入することが望ましい。
    3.搾汁液は食品素材として利用するため、収穫時に土砂の混入を避ける。

具体的データ

その他

  • 研究課題名:スィートソルガム変換前処理技術の開発 予算区分 :大型別枠(バイオマス) 研究期間 :昭和62年~平成2年 発表論文等:農業機械学会東北支部報、No.35,36,37,38 特許(名称:スィートソルガム茎葉分離・搾汁装置:公開番号平2-255010)