住民参加による地域活性化アイディアの発想支援手法(TN法第1ステップ)
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要約
- 担当:東北農業試験場 農村計画部 地域計画研究室
- 部会名:経営
- 分科会名:
- 分類:(1)
成果の内容・特徴
- 技術・情報の内容及び特徴
住民参加型地域活性化アイディア発想支援システム(TN法第1ステップ)の特徴は、次のとおりである。
1.TN法第1ステップは、ブレーン・ストーミング、KJ法、ブレーン・ライティング、CBS法、
NGT法等の既存のアイディア抽出手法の特質を様々な角度から評価するとともに、
農村現場での実践を重ねて開発したものである。
2.TN法第1ステップの第1の特徴は、本音をなかなか言わない、集団討議が苦手である、
発言する場合に他のメンバーを気にする、といった性向をもった住民にも対応できる
ように工夫されている点にある。具体的には、他のメンバーに影響されずにカードに
自分のアイディアを記述するという個別思考プロセスと、他のメンバーの前で自分の
アイディアを発表して相互に刺激を受けて発想する集団討議プロセスを統合化して、
地域住民が潜在的に持っているアイディアを短期間で効率的に抽出できるという点にある。
3.TN法第1ステップの第2の特徴は、豊富な情報を持たない住民にアイディア発想のための
情報の提供、会議の進行、アイディア抽出結果の整理と評価、等を実施する支援チームを
結成する点にある(図1)。支援チームのメンバーとしては、
市町村の行政主体がなることが多く、住民参加を基本とした地域活性化施策の
推進に友好である。
4.TN法第1ステップの第3の特徴は、抽出したアイディアを図2に示したようにその場で参加者全員で整理分類するとともに、表1に示したように参加メンバー自身による評価が
容易にできるように工夫されている点にある。なお、TN法第1ステップはアイディアの
抽出のみを支援するものであり、抽出したアイディアの詳細な評価については、
別途開発中のTN法第2ステップを用いて、さらに評価した複数のアイディアの中から
最も望ましいアイディアを選択するといった代替案の選択についてはTN法第3ステップを
用いて実施することになる。
5.TN法第1ステップは、地域活性化アイディアの抽出ばかりでなく、地域特産品の開発、
農村整備施策の多面的な影響の解明等、住民の多様な意見や考えを抽出するという
局面で有効に利用することができる。
- 技術・情報の適用効果
本手法を適用することにより、地域活性化に関する住民のアイディアを短時間で
効果的に抽出・評価することができる。また、このアイディア抽出過程に
参加することにより、住民自身の地域活性化への参加意欲が高まる。
- 適用の範囲
特に限定なし。
- 普及指導上の留意点
TN法第1ステップを有効に活用するためには、アイディアを記述するためのカード
(横15cm x 縦5cmのマグネットシート)とサインペン、それらを集約し分類整理
するためのホワイトボード、分類整理したアイディアを記録するためのカメラもしくはビデオ、
抽出したアイディアの評価を効果的に実施してその場で集計するための
パソコンシステムが必要である。
具体的データ



その他
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研究課題名:中山間地農村の生活施設系および道路系の整備水準計測のための指標の策定(過疎地域)
- 予算区分 :特研
- 研究期間 :平成2年~3年
- 発表論文等:門間敏幸:農業・農村活性化支援システムの設計と実証、オペレーションズ・リサーチ、
Vol.36、No.10、1991、28-34.
門間敏幸・佐々木公・佐々木憲康:戦略的村づくり支援システムTN法の開発
第1報 TN法第1ステップによる農村活性化
アイディアの発想支援、東北農業試験場報告、第84号、73-92.