霧による濡れが根の発達とその後の生長に及ぼす影響
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要約
担当:東北農業試験場 地域基盤研究部 気象環境制御研究室
部会名:やませ環境
分科会名:
分類:(3)
成果の内容・特徴
- 技術・情報の内容及び特徴
1.霧による濡れは作物の生育全般を抑制し、特に根の伸長を著しく阻害する。
そのため、根に対する地上部の割合は、付着水量の増加にともない高まる
(図1、図2)。
2.根の発達が極度に抑制されたトマトが霧に濡れると、わずかな水ストレスに
対しても気孔が極端に閉じた。このことから、トマトでは濡れにより気孔の感受性が
高まり、葉面の正常なガス交換が阻害されると推察できる(図3)。
3.濡れにより根に対する地上部の割合が増加したトマトでは霧処理終了後生育が
著しく抑制される。しかし、育苗培地の窒素施肥を抑制して処理開始後の根の
発達を促進させたトマトでは、霧処理終了後の生育抑制はわずかである(図4)。
4.霧による濡れの被害対策を確立するうえで、根の割合を高める栽培方法の
開発が重要である。また、長時間の濡れに作物が遭遇する前に根に対する
地上部の割合を低下させることが有効である。
- 技術・情報の適用効果
濡れが作物生産の阻害要因になっている地域に適した技術開発・品種改良
を進めるうえで、有益な指針になる。
- 適用の範囲
雨・霧などによる濡れが作物生産の阻害要因になっている地域。
- 普及指導上の留意点
濡れによる根の発達抑制はダイズ、トマトで確認された。
具体的データ




その他
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研究課題名:やませ気象による作物の障害発生機作の解明
- 予算区分 :特研(やませ霧)
- 研究期間 :平成1年~3年
- 発表論文等:日本農業気象学会1991年度全国大会(平成3年4月)