気温と日長に基づくトウモロコシの発育予測メッシュ図の作成手法

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要約

  • 担当:東北農業試験場・草地部・飼料作物研究室
            農業環境技術研究所・気象管理科・気候資源研究室
            岩手県畜産試験場・草地部
  • 部会名:畜産
  • 分科会名:草地
  • 分類:(3)

 

成果の内容・特徴

  • 技術・情報の内容及び特徴
    サイレージ用トウモロコシについて、2次元ノンパラメトリックDVR法により日平均気温および 日長の関数として求めたDVRと、1km x 1kmのメッシュ単位で推定・計算した日平均気温 および日別の可照時間とを用いてメッシュ毎に発育段階を予測し、予測結果をメッシュ図 として表示する手法を開発した。手順は以下の通りである。
     1. 2次元DVRの把握
    出芽期~絹糸抽出期について2次元ノンパラメトリックDVR法解析プログラム《2DIMNON》 により気温と可照時間に対するDVRを求める(図1、図2)。なお、播種期~出芽期、絹糸抽出期~黄熟期 についてはあらかじめ気温のみについてDVRを求めておく。
     2. メッシュ日別平均気温の推定
       1. 平年値の推定
          気象庁メッシュ気候値の3次メッシュ月別平均気温の平年値を用い、調和解析法により 推定する。
      2. リアルタイム値の推定
         アメダスデータを用い平年差の距離重みづけ法により推定する。
     3. メッシュ日別可照時間の算出
        メッシュの緯度と暦日を基に、通常の計算式により求める。
     4. メッシュ単位での発育予測
         1で求めた各発育段階ならびに気温、日長別のDVRと2および3で求めた日別のメッシュ 気候値とを用いて各発育段階をメッシュ毎に日単位で予測する(表1)。
     5. 作期判定メッシュ図の作成
        4の予測結果を半旬単位で区分しメッシュ図を作成する(図3)。
  • 技術・情報の適用効果
     1. トウモロコシの発育段階がメッシュ単位で推定されることにより、特定地帯への 導入可否判定ができる。
     2. メッシュ単位での発育予測により、地帯別に栽培技術指導を行なうことが 可能となる。
  • 適用の範囲
     1. 東北地域全域に適用できる。
     2. 本手法は基本的にほとんどの作物に適用が可能である。
  • 普及指導上の留意点
     1. 発育が気温と日長によって制御されている場合に適用する。
     2. リアルタイムメッシュ日別気温の推定精度は十分に確認しておく必要がある。

具体的データ

図1 予測に用いた日平均気温とDVRとの関係

図2 予測に用いた可照時間とDVRとの関係

表1 メッシュ単位での発育予測

図3 絹糸抽出期の分布

その他

  • 研究課題名:飼料作物の環境適応性と適地評価
  • 予算区分 :経常
  • 研究期間 :平成2年~平成6年
  • 発表論文等:平成4年度草地学会大会発表予定(講演要旨)