水稲育苗作業計画作成支援シミュレータ
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要約
育苗センター等での水稲の大量育苗作業の省力化のための問題点の解明や新たな技術を導入する場合の事前評価を目的とし、労力配分や作業日程の調整を行い、水稲育苗における作業計画の作成を支援するシミュレータを開発した。
- 担当:東北農業試験場・水田利用部・作業システム研究室
- 連絡先:0196-41-2145
- 部会名:作業技術
- 専門:情報処理
- 対象:稲類
- 分類:指導
背景・ねらい
現在、水稲作の規模拡大や水田の高度利用が求められており、労働生産性を高めた
低コスト生産体系の確立が欠かせない。水稲の機械化移植体系において作業の
省力化・高能率化が図られる中で、育苗作業は人力による作業が多く、
作業時間・費用の占める割合も高い。そこで、育苗センター等での大量育苗作業の
省力化のための問題点の解明や新たな技術を導入する場合の事前評価を目的とする
水稲育苗作業計画作成支援シミュレータを開発した。
成果の内容・特徴
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本シミュレータは、農家からの受注に基づき育苗センター等で立てた配布目標に
対して、必要となる労力の配分や作業日程の調整を行い、全体の育苗作業計画を
作成する。
- データとして、配布目標として定めた品種別配布日・配布箱数、各作業工程の必要と
する労力や日程・作業能率、日毎の利用可能な労力、育苗期間の幅(最短および最長の
育苗日数)等を設定する(表1、2)。
- プログラムは、配布日を基準にして作業工程とは逆方向に作業日程を設定する
バックワード・スケジュール型で、配布最終日の作業から初日にかけて順次設定を
行なう。このとき一日の作業時間、利用可能な労力等を制約条件とし、設定した
育苗日数の範囲内で作業日程の調整を行う。
- 出力として、作業計画表、労力配分図・表、日別の機械の利用時間や必要とする
資材量などが得られ、水稲の育苗作業計画の検討のために利用できる
(図1、表3)。
成果の活用面・留意点
計画立案ポイント(作業ピークの抑制、作業期間の短縮など)をどこに置くかにより、
最適な労力配分は変わるため、パラメータの調整や使用者の判断がある程度必要である。
また、気象条件による生育の変動については考慮していない。
具体的データ



その他
- 研究課題名:東北地域における超省力機械化栽培技術体系の確立 -超省力作業体系シミュレータの開発-
- 予算区分 :水田畑作・経常
- 研究期間 :平成4年度(平成元~4年)