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人工授精した牛への胚移植(追い移植)によって、受胎率と胚生存率の向上が達成されることが実証され、高い安定した子牛生産が得られた。
胚移植による双子生産は、肥育素牛の効率的な増殖と低コスト生産を可能にするが、早期胚死滅の発生率が高いことなどの理由により、必ずしも期待した経済的効果をあげていない。そこで、追い移植による子牛生産性を両側子宮角移植による結果と比較し、併せて移植胚の種類による生産性の違いについても比較検討した。
体外受精胚及び過剰排卵処置7日後に回収した生体内受精胚を人工授精後に追い移植、あるいは両側子宮角に移植し、移植後20、40、60、80日目に超音波診断装置によって胚の着床過程を追跡した。受胚牛には黒毛和種経産牛を主として用い、両側子宮角移植では原則として黄体側子宮角に2胚、非黄体側子宮角に1胚移植した。追い移植では人工授精後6~9日目に非黄体側子宮角に1~2胚移植した。体外受精胚、凍結胚及び低温保存胚を、生体内受精胚は新鮮胚を用いた。