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黒毛和種(父牛)とホルスタイン種(母牛)から生産した交雑種データを用い、遺伝的パラメターおよび父牛の育種評価を推定する。また増体量、枝肉単価について高い遺伝率が得られることから、交雑種を用いた黒毛和種の父牛評価が可能である。
黒毛和種の父牛の選抜には、純粋種産子を用いた後代検定の情報を用いる。しかし純粋種の子牛価格は高く、繁殖農家の規模も小さい。一方、交雑種は安価であり、酪農家1戸当たりの飼養頭数は大きい。このことから交雑種については、特定の父牛の産子を同時期に数多く得ることが可能である。また、肉質の評価については、黒毛和種の母牛から得た純粋種より、変異の小さいホルスタインを母牛に持つ交雑種を用いた方が、より正確な父牛評価となる可能性がある。以上の理由から、交雑種データを用いた黒毛和種父牛の選抜が可能か検討した。
以上より、本研究で得られた父牛の育種価の変異と遺伝率を見る限りでは、交雑種を利用した黒毛和種の後代検定は可能である。
今後、交雑種を用いた改良事業について検討する必要がある。また、本研究では組合せの効果、母性効果、雑種強勢などの量的遺伝子以外の効果については考慮していない。今後はこうした課題についての研究も必要であろう。