圧縮空気を利用したマクロシードペレット散布作業システム
※アーカイブの成果情報は、発表されてから年数が経っており、情報が古くなっております。
同一分野の研究については、なるべく新しい情報を検索ください。
要約
圧縮空気を利用したエゼクタと小容量ホッパで構成する散布機を用いて、急傾斜地で広域散布する汎用性の高い作業システムを開発した。本システムは4~5名で1日2~2.5トンのマクロシードペレットを製作し、0.8~1.2haに散布できる。
- 担当:東北農業試験場・総合研究部・総合研究第2チーム
- 連絡先:019-643-3412
- 部会名:畜産(草地)、作業技術
- 専門:機械・作業
- 対象:牧草類
- 分類:普及
背景・ねらい
大型の成形複合肥料の表面に牧草種子を糊付けしたマクロシードペレットによる
低コスト不耕起草地改良法は、急傾斜地において有効であるが、
これまで人力散布であったため作業能率が低く、
重労働であることから機械化が要請されていた。また、急傾斜地においては、
施肥作業の省力化および軽労化が大きな課題となっているので、
これらも併せて可能な汎用性の高い散布作業システムを開発する。
成果の内容・特徴
-
本システムの主要機材は小型トラックに搭載したエンジンコンプレッサ、
種子塗布機、マクロシードペレット運搬用の小型運搬車およびエゼクタ式散布機
(圧縮空気利用のエゼクタと小容量ホッパで構成)である。
前2者は取付道路に設置され、後2者が傾斜地に入る。
散布に必要な圧縮空気はエアホースを介してエンジンコンプレッサより供給される(図1)。
散布動力やマクロシードペレット運搬を別機材が担うシステムにしたことにより、
散布機が小型軽量化され、
対象となる傾斜地への進入や傾斜地内での移動が容易にできる。
なお、システムの構成機材はいずれも入手製作が容易で、
既存品使用による経費節約ができる。
-
本エゼクタ式散布機はマクロシードペレットを8.5kg/minの能率で散布できる。
また付着種子剥離の問題を起こさずに散布距離40mを確保できる(表1)。
したがって、本機を傾斜地内の足場の良い場所に設置し、
マクロシードペレットを小型運搬車で供給しながら、
1カ所から15~20aの広域散布が可能である(図1)。
この方法によって、複雑傾斜地形でも安全に省力的に散布作業ができる。
-
広葉樹林の伐採跡65aにマクロシードペレット1640kgを本システムを用いて散布し、
不耕起造成したときの正味散布時間は3.5時間であった。散布されたペレットは、
17.6±8.5個/平方メートルの密度分布を示し、90%が発芽した(図1)。
-
急傾斜の広葉樹林や桑園の伐採跡、
大径木生産カラマツ混牧林の不耕起造成地を対象に、
本作業システムを4~5名の作業者で実施すれば、1日あたり、
2~2.5トンのマクロシードペレットを製作し、0.8~1.2haの面積に散布できる。
-
本システムに使用するエゼクタ式散布機は、マクロシードペレットだけでなく、
成形複合肥料、堆肥ペレット、粒状化成肥料などの取り扱いも可能である(表1)。
成果の活用面・留意点
-
本システムは、散布作業が困難な地形での大量施肥作業に活用できる。
小粒肥料の散布範囲を拡大する場合は、エゼクタの吐出口に延長吐出ホース(5~10m)
を取り付け、その先から散布する。
-
マクロシードペレットの製作は散布30分前に開始し、
規定の糊濃度および量で種子を接着させる。
散布地点までの運搬は傾斜地適応性の高い歩行型クローラ式運搬車などを使用する。
具体的データ


その他
- 研究課題名:マクロシードペレットの散布作業システムの開発
- 予算区分 :経常
- 研究期間 :平成8年度(平成6~10年度)
- 発表論文等:圧縮空気を利用した散布作業システムの開発、第55回農業機械学会大会
講演要旨集p117-118(1996)
圧縮空気を利用した散布作業システム、農業機械学会東北支部報第43号
p85-86(1996)