大粒・良質・高加工適性だいず新品種「たまうらら」

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要約

だいず「たまうらら」は、「オクシロメ」より成熟期が5~10日早い中生の早で、 百粒重が35g以上の大粒で外観品質が優れ、豆腐および煮豆加工適性に優れる。 また、収量性は「オクシロメ」より高く、茎が短く、倒伏抵抗性が優れる。

  • 担当:東北農業試験場・作物開発部・大豆育種研究室
  • 連絡先:0187-75-1043
  • 部会名:畑作物
  • 専門:育種
  • 対象:豆類
  • 分類:普及

背景・ねらい

青森県における大豆の作付は晩生の「オクシロメ」に集中し、気象変動にともなう生産の不安定さや品質低下の原因となっている。また、作期幅が限定されることから大豆の作付面積の拡大にとって大きな障害ともなっている。このため、熟期の早い大粒、良質、高加工適性大豆品種の導入が強く望まれている。

成果の内容・特徴

  • だいず「たまうらら」は昭和58年に病虫害抵抗性で、白目・大粒・良質・多収性を目標に、大粒の「刈交296F6」を母に、シストセンチュウ抵抗性の「刈系237号」を父として交配を行い、育成した品種である。
  • 熟期は「オクシロメ」より育成地では約10日早い中生の早、青森県では4、5日早い中生種である。
  • 主茎は「オクシロメ」より約20cm短く、耐倒伏性に優れ、蔓化も見られない。分枝が「オクシロメ」と同様に少なく、主茎型である。
  • 収量は「オクシロメ」を上回り、多収性である。
  • 「オクシロメ」より蛋白質含有率が高く、豆腐加工適性に優れる。
  • 種皮は黄白、臍色は黄で粒大は百粒重が35g以上の大粒で外観品質が良く、煮豆加工適性も良好である。
  • ダイズモザイク病抵抗性は中である。

成果の活用面・留意点

  • 適地は東北北部および中部地域である。
  • ダイズシストセンチュウ抵抗性が弱であるので、発生地帯での作付けは控え、適正な輪作のもとで栽培する。

具体的データ

表1.だいず「たまうらら」の特性一覧

 

表2.だいず「たまうらら」の病害虫抵抗性および加工適性

その他

  • 研究課題名:大豆新品種育成試験
  • 予算区分:経常(高品質輪作)
  • 研究期間:平成9年度(昭和58年~平成9年)