日本の小麦赤さび病菌レースに有効な抵抗性遺伝子

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要約

種属間交雑により導入された小麦赤さび病抵抗性遺伝子Lr9、Lr19、 Lr24、Lr25、Lr28、Lr29は、日本国内から採取される小麦赤さび病菌レースすべてに抵抗性である。

  • 担当:東北農業試験場・作物開発部・麦育種研究室
  • 連絡先:019-643-3512
  • 部会名:東北・畑作物
  • 専門:育種
  • 対象:麦類
  • 分類:研究

背景・ねらい

小麦赤さび病抵抗性遺伝子はこれまで40個以上同定されているが、どの抵抗性遺伝子が日本の小麦赤さび病菌レースに抵抗性を示すかは明らかにされていない。そこで、国際トウモロコシ・コムギ改良センター(CIMMYT)より入手した小麦赤さび病抵抗性遺伝子に関する準同質遺伝子系統群に、日本国内で採取した小麦赤さび病菌レースを接種し抵抗性検定を行うことにより、日本国内で有効な小麦赤さび病抵抗性遺伝子を同定する。

成果の内容・特徴

  • 北海道・東北地域で優勢な病原性の強いレース6A、6B、21A、21Bを含む日本国内で得られるすべてのレースに対し、幼苗抵抗性を示した小麦赤さび病抵抗性遺伝子は、Lr9、Lr19、Lr24、Lr25、Lr28、 Lr29である(表1)。
  • これらの抵抗性遺伝子はすべて種属間交雑により導入されたものである(表2)。

成果の活用面・留意点

  • これら抵抗性遺伝子は小麦赤さび病抵抗性育種の遺伝資源として有用である。
  • Lr19は、胚乳色を黄色にする遺伝子と連鎖関係にある。

具体的データ

表1.レース判別品種・系統に対する抵抗性反応。

 

表2.日本の小麦赤さび病菌レースに有効な抵抗性遺伝子とその由来

 

その他

  • 研究課題名:"gene-for-gene理論"による小麦赤さび病菌レース判別法の確立
  • 予算区分:経常
  • 研究期間:平成11年度(平成9~11年度)
  • 発表論文等:コムギ赤さび病菌極強レース21Bに有効な抵抗性遺伝子の同定(1999)
                     育種学研究第1巻 別冊1号 p267